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住林、森林管理コンサル事業に向け協業

 住友林業(株)と(株)IHIは18日、「森林管理コンサルティング事業」と「自然資本の価値を最大化する持続可能なビジネスの開発」に向けた業務提携契約を締結した。

 今回の提携は、 世界的に問題となっている熱帯泥炭地での泥炭火災や大気中への炭素放出に対応するのが目的。熱帯泥炭地の土壌は大部分の水と、樹木などが枯れても腐らずに堆積した有機物で構成している。 水位が下がり、乾燥する燃えやすく泥炭火災の一因となっている。
 住友林業はインドネシアの泥炭地で植林事業を実施し、泥炭火災を防ぐ管理技術を確立。また同国で管理する10万ha以上の森林で樹木や泥炭土壌に関する地上データを蓄積してきた。IHIグループは長年の宇宙開発で培った人工衛星データの利用技術や、気象観測・予測技術という強みを持つ。

 そこで今回の協業では、住友林業が蓄積した地上データと、IHIの気象情報や人工衛星データを組み合わせ、年間を通して地下水位を安定させるための地下水位予測システムを構築。同システムを用いて、住友林業の森林管理技術を熱帯泥炭地を有する国々へ普及させる手法を開発し、2022年に森林コンサルティング事業として展開することを目指す。

 さらに、森林資源の炭素吸収能力のみならず、生物多様性や水循環の保全、地域社会への貢献といった「自然資本」としての価値を可視化し、正当に評価することによる「質の高い炭素クレジット」の創出や販売に向けて連携していく。


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