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不動産ID、ESG投資促進等で不動産投資を促進

 国土交通省は22日、第13回「不動産投資市場政策懇談会」(座長:牛島総合法律事務所弁護士・田村 幸太郎氏)を開催した。

 今後の不動産投資市場にかかる政策について、「不動産投資促進」、「不動産投資の質の向上」、「不動産取引に係る情報活用等の環境整備」の3つの側面から、コロナ禍からの経済回復およびさらなる経済成長、社会全体で進むデジタル化への対応、国際的なESG投資促進の潮流への対応等、今後の不動産投資市場政策に係る検討課題等について議論。不動産IDのルール整備、市場におけるマクロ・ミクロ的な情報整備、ESG投資促進、不動産特定共同事業(FTK)の多様な活用などをテーマに、事務局から現状報告がなされ、委員らが意見交換した。

 不動産IDのルール整備については、現時点で各事業者・団体へのヒアリング結果や、不動産IDとして求められる性質等を踏まえ、不動産登記簿の不動産番号を用いる形でルール整備を行なう方向で検討中。課題として、部屋ごとの不動産番号が存在しない、区分所有でない共同住宅等におけるIDのルール、今後の論点の可能性として土地の分筆、物件(部屋)の分割(併合)時の対応などが報告され、意見交換がなされた。

 市場におけるマクロ・ミクロ的な情報整備(面的データの活用等)については、4月に公開した官民が保有するデータの効果的な組み合わせ方法や有効な活用方法による面的データの構築について手助けとなるガイドライン、2020年度4月より速報値の試験運用を開始した「既存住宅販売量指数」の副次的データを利活用した法人取引量指数などをテーマに論議。 

 ESG投資促進では、S(社会課題)、特に地域の持続可能性への貢献の情報開示について、どのような観点で課題・項目整理をすべきか等が、不動産特定共同事業(FTK)の多様な活用では、地方創生、「まちづくり」において、より多くの人に活用してもらうための取り組み、好事例を横展開させる効果的な方法などが論点として挙がった。

 最後に、不動産投資市場の成長目標について、20年頃までにリート等の資産総額約30兆円を目指すという政府目標に対し、21年3月時点で約28兆円であると報告。今後、引き続き官民で目標を共有し、これまでのリート等の資産総額の推移状況等を踏まえて、新たな成長目標の設定について検討するとした。


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