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東京のワーカー、郊外転居と都心居住への意向が半々

 三菱地所(株)は16日、3回目の就業者アンケートの調査結果(2021年6月)を発表した。

 コロナ禍という大きな環境変化を踏まえ、定期的に就業者アンケートを実施している。1回目の調査は20年6月、2回目は同年12月に行なった。東京都に勤務する、1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)在住のオフィスワーカーが対象。サンプル数は5,150。調査期間は6月15~17日。

 オフィスとテレワークの比率は、1・2回目とほぼ同様で、オフィスのみが33%、オフィス・テレワーク併用が59%、テレワークのみが8%だった。同社はコロナ終息後も企業のテレワーク導入が定着すると予想。今回の結果同様、オフィスのみが30%、オフィス・テレワーク併用が65%、テレワークのみが5%の割合で推移するとしている。

 個人における生産性をオフィスとテレワークで比較すると、「社内外のディスカッション」は71%がオフィスを評価。事務処理・単純作業も含め、テレワークの方が生産性が高くなる項目は無かった。企業・組織における影響をコロナ前後で比較すると、「組織としての事業推進力」「コミュニケーション」「会社へのシンパシー・帰属意識」等の項目で悪化したとの回答が多かった。

 テレワークをしている就業者の内、現状は94%が自宅でテレワークを実施。一方で、テレワークの場所として自宅よりもシェアオフィスを求める層も21%おり、企業の勤務ルール、料金の負担、シェアによる感染リスク等の課題が解決されれば、利用が増える可能性があるとした。

 「地方・郊外への転居」「二拠点居住」については、「実行した」「実行に向けて検討中」と答えた就業者は10%前後だった。逆に、「勤務先に近いエリアへの転居」「自転車通勤」といった都心居住を志向するワーカーも10%前後で、「単純に、都心から地方・郊外への人口流出が急速に進むことは想定しづらい」と見ている。いずれも20・30歳代の若年層は、「環境の変化に応じてライフスタイルを変えること」に積極的であることが分かった。


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