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心理療法における「木」の効果を検証/住友林業

木質化した心理療法室

 住友林業(株)とBrainEnergy(株)、東京慈恵会医科大学は19日、うつ病に対する木の効果の解明研究を開始すると発表した。

 3者は、2020年11月に「木質内装建材や木の香りにより構築された治療環境が精神・心理療法の効果に与える影響」に関する共同研究で合意。研究方法や治療環境の仕様の検討を進めてきた。

 近年、精神疾患が増加傾向にあり、「うつ病」は社会問題の一つとなっている。薬物療法で効果が得られるものの、「軽症うつ病」では必ずしも薬物療法の実証度は高くなく、また、うつ病の回復期では認知行動療法等の心理療法が有効とされている。
 その中で、植物や木材といった自然の要素には抗うつ、抗不安効果が期待されており、自然を取り入れた空間デザイン「バイオフィリックデザイン」が注目されている。

 今回の共同研究では、うつ病を対象に木材の見た目や香りを用いた医療環境が、精神・心理療法に補助的な効果があるかどうかを検証。慈恵医大付属病院の精神神経科外来・心理療法室の内装を木質化して、臨床試験を進め、治療環境効果を明らかにする。

 今後、木質化した心理療法室と通常の心理療法室で、うつ病に対する認知行動療法を約16週間かけて実施。さまざまな観察・検査によりその効果を検証していく。


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