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新築マンション設備、戸数規模や地域によって違い

 (株)東京カンテイは29日、過去10年(2011~20年)に発売された新築マンションの設備機器・施設の設置率を調査、結果を公表した。対象は共用施設・設備、生活利便設備、エコ系設備機器の3分類21設備・施設。地域別(首都圏・近畿圏・中部圏・福岡県)および規模別(総戸数50戸未満、50戸以上100戸未満、100戸以上)に集計した。

 近年、特に設置・導入率が高いのは「宅配ロッカー」「エコジョーズ」「外部コンセント」「床暖房」の4種。「宅配ロッカー」は90年代にはほぼ標準化しており、18・19年はすべての地域・規模で設置率が100%、20年は近畿圏の50戸未満で設置率98.2%となった以外は100%となった。

 「エコジョーズ」は、物件によっては後付けが難しく、すべての地域で設置率が高くなっている。11年は多くの地域・規模で半数以下となっていたが、近年は80%前後で推移している。「外部コンセント」はバルコニーや専用庭などでよく使用されるもので、中部圏で高い設置率に。全国的にも、エコジョーズ同様この10年で設置率が高まっている。「床暖房」は、11年にはすでに近畿圏で高い設置率を示していた。近年は首都圏・近畿圏で高い設置率となっているが、福岡県は50%前後の設置率と両圏域に比べると明確な差がある。

 また規模別にみると、「キッズルーム」や「ゲストルーム」といった施設は小規模マンションでは設置率が低く、戸数規模の大きなマンションほど設置率が高い傾向にあった。一方で、「非接触型エントランスキー」は小規模物件ほど設置率が高い。

 地域別では、「ミストサウナ」の設置率が近畿圏だけが突出。「地元ガス会社が積極的に営業している結果だと考えられる。地元企業の動向でマンションの設備が変わる好例では」(同社)。

 ただ、「宅配ロッカー」以外のいずれの設備も16年頃から徐々に設置率が低下する傾向も見られ、価格高騰に対応するためのコスト調整が要因の一つと考えられる。


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