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オンライン紛争解決をテーマに勉強会/シェアエコ協

 (一社)シェアリングエコノミー協会は19日、「オンライン紛争解決『ODR』とCtoC領域での活用」をテーマに勉強会を開催した。

 近年、デジタルプラットフォームを介したCtoC取引が普及し、消費者の利便性や選択肢が広がっている。その一方で、CtoC取引ならではの問題も増加したことから、同協会はデジタル活用による裁判外での民事紛争解決(ODR)の利用促進に取り組んできた。

 冒頭、同協会常任理事の積田有平氏が挨拶。「2020年のシェアリングエコノミー市場規模は1兆円超と、加速度的に成長を遂げている。一方、市場拡大に伴いトラブルも増え、その解決策の一つとして『ODR』の普及に取り組んできた。今回の勉強会により、ODRの認知拡大につながり、シェアリングエコノミーの安心・安全な利用の一助となれば」と話した。

 同協会のリーガルアドバイザーで弁護士の石原遥平氏は、ODRの意義について「これまで賠償額が少額のトラブルなどは、仲裁や調停の手続きに乗せても最終的に費用倒れになることが大半で、泣き寝入りせざるを得ない状況だった。ODRは、当事者間での少額なトラブルの一部を分類し、予防・管理・解決に導くことが可能になる」と説明。また、「ODR普及のためには、IT・AIを紛争解決に活用することを前提に、法的・技術的観点から具体的な議論をする必要がある。実証的なアプローチで成功事例を積み上げていくこともODRの普及につながる」とした。

 また、同協会会員の(株)スペースマーケットと損害保険ジャパン(株)が共同開発した「スペースシェアリング専用保険」(20年4月から提供開始)について紹介。同保険は、シェアリングエコノミーを利用した際に発生する金銭被害を補償するもの。保険対象外事案については、第一東京弁護士会の所属弁護士にチャットシステムを用いて相談することが可能。専門的見地からの解決案を提示し、個人間トラブルの早期解消を促していく。


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