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全館空調システム搭載による健康への影響を研究

左から伊香賀 俊治教授、手にHEPAフィルターを持つ酒田陵二常務、井上浩義教授

 パナソニック ホームズ(株)は1日、慶應義塾大学と共に進めていた住宅の温熱や空気環境と健康の関係についての研究結果等を発表した。

 同社は暮らしやすさのナンバーワンを目指し、住宅用全館空調システム「エアロハス」や、「PM2.5」の除外も可能なHEPAフィルターを有する換気システムを搭載した住宅を提供してきた。さらなる空気質の向上を図るため、住宅用全館空調システムの「温熱環境」やHEPAフィルターを有する換気システムの「空気環境」が健康に与える影響について、実証研究を進めてきた。温熱環境の研究は2020年4月に、空気環境の研究は15年11月にスタートしている。

 温熱環境の研究では、冬季の平均室内温度は、全館空調システムを採用した場合の方が4.9~8.4度高く、WHOがガイドラインで示している暖かい居住環境の水準をクリアしていた。同大学理工学部システムデザイン工学科教授の伊香賀 俊治氏は「血圧の低減・睡眠の質向上が確認でき、循環器疾患予防の可能性に期待できる」と解説した。また、空気環境での研究では、日本では屋内外でPM2.5の濃度が変わらないとされている中、HEPAフィルター搭載の換気システムを導入した住宅の場合、外気に比べて6年後も屋内での濃度が低く抑えられていることが認められ、呼吸器疾患等の予防が見込めるとした。同大学医学部教授の井上浩義氏は「超長寿社会の中で人々が元気に過ごせるようにするためには、食事に並んで住環境が非常に重要なポイントになると考える」と述べた。

 同社取締役・常務執行役員技術担当の酒田陵二氏は、今回の研究結果を受け、「今回の結果を受けてさらなる研究が必要だ。その成果を今後の商品企画に反映していきたい」と話した。


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