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神大、産官学民連携の観光プラットフォーム開始

 神奈川大学(横浜市神奈川区)は15日、全学的なSDGs推進を目的とした産官学民連携のプロジェクト「観光プラットフォーム事業」を立ち上げると発表した。

 同大学は2021年4月に開設したみなとみらいキャンパス(横浜市西区)に「社会連携センター」を設置。企業とのパートナーシップ協定や自治体との包括連携協定等に基づき、地域コミュニティが抱える課題の解決に向けた産官学民連携プロジェクト等の強化を打ち出している。プラットフォーム事業は、その一環として9月より開始したもの。総合大学としての「知」と同大学のパートナーシップ制度をいかし、オープンイノベーションで環境、経済、社会的課題の解決に取り組む、新たな教育・研究活動。第1弾は、コロナ禍で打撃を受けた地元横浜の「観光」をテーマとした「観光プラットフォーム」とした。

 同プラットフォームでは、コロナ禍からの観光客V字回復を目的とした「イノベーション創発プロジェクト」と「課題解決プロジェクト」を展開。前者は、(公財)横浜観光コンベンション・ビューロー、Avintonジャパン(株)、工学部経営工学科髙野倉ゼミが参画。顧客ニーズを含むビックデータとAIのデータテクノロジーを活用し、横浜の観光の現況を分析し、観光需要の未来予測を実施。横浜を訪れる観光客、もてなす企業、行政などのステイクホルダーのWin-Win-Winを実現するソリューションの開発を目指す。

 後者は、横浜観光コンベンション・ビューローの課題にアプローチするプロモーション・プロジェクトで、経営学部国際経営学科中見ゼミと連携し、観光客から選ばれるまちにする、滞在者に満足してもらえる街にするための観光情報の発信の在り方を考察する。AIでは真似できない、人間だからこそできる「顧客起点」のマーケティング戦略の立案、実行を実践。多様な価値観をもつZ世代のゼミ生の感性もいかし、既存メディアの課題にアプローチする。

 両者とも22年3月までにデータ分析を行ない、パートナーシップ参画企業等とともに23年度中に新たな事業手法の提案・実装を目指す。同大学教員・学生・パートナーシップ企業が連携して新たなテーマを検討。今後は地域コミュニティの課題解決に取り組む地方大学へと展開し、地方創生を支援していく方針。

 同日会見した同大学長の兼子良夫氏は「教育機関としてSDGsに向き合うことは、持続可能な社会を創生する人材の育成につながる。本学の理念である“教育は人を造るにあり”は、SDGsの精神に符号する創立者の思いでもある」などと抱負を語った。


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