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世界の不動産市場、コロナ禍で需要増進

 (株)LIXILイーアールエージャパンはこのほど、ERA米国本部による国際不動産市況レポート「The COVID-19 Pandemic’s Impact on Real Estate Around the World(世界各国の不動産市場における新型コロナウイルス感染爆発の影響)」の作成に参画。日本語で要約したものを公表した。

 同レポートは、ERA米国本部の要請により、世界23の国・地域のERA本部が情報を提供して作成したもの。それによると、感染拡大する中、日本だけでなく他国においてもリモートで仕事をする人が増え、自宅で過ごす時間が増加。日本と同様に自宅に対する思い入れが深まり、不動産の需要が伸びた国・地域が多かったという。

 住宅価格に関しては、ERAの展開する国・地域の約60%で上昇。アルバニア、コソボ、モンテネグロ、ドイツ、フランス、ベルギー、ブルガリア、オランダ、台湾では住宅価格が上昇したという。中でもオランダでは2020年第1四半期から21年半ばにかけて住宅価格が急上昇。その上昇幅は約40%に達し、21年4~6月の平均販売価格が史上初めて40万ユーロ(約5,200万円)を超えた。

 案件数については、欧州では経済的ダメージが抑えられた結果、アルバニア、コソボ、モンテネグロ、ベルギー、ブルガリア、フランス、オランダで案件数が増加したと回答した。

 パンデミックの影響については87%が「都市から郊外へ移り住む人が増えた」と回答。オランダでは、都市封鎖によって農村地域の魅力が高まり、利用可能な住宅の数が急速に減少。アムステルダムからは多くの人口流出がみられた。南アフリカでは、物件数の不足と需要の高まりが相まって、一次取得者向けの小規模住宅や200万ランド(約1,500万円)未満の中規模住宅の価格が上昇。テレワークが進んだ結果、小さな村や町の需要が高まったという。


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