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入居者トラブル対応をテーマにセミナー/全宅管理

賃貸管理業に携わる登壇者がパネルディスカッション形式でセミナーを行なった

 (一社)全国賃貸不動産管理業協会(全宅管理)は18日、「入居者トラブル対応セミナー」をオンラインで開催。約700名が視聴した。

 (株)HelloNews代表取締役の吉松 こころ氏をファシリテーターに、(株)三好不動産代表取締役副社長の三好孝一氏、ベルデホーム(株)統括部長の熊切伸英氏、佐藤貴美法律事務所・弁護士(全宅管理顧問)の佐藤貴美氏、(株)おかだハウジング代表取締役社長(全宅管理専務理事)の岡田 日出則氏らが、パネルディスカッション形式で入居者トラブルの対応について話し合った。

 コロナ禍でクレーム件数が増加している「騒音問題」では、「所轄の派出所と良好な関係を築き、対応に困っている入居者の見守りをお願いすることもある」(三好氏)、「“共同生活だからお互い様”と思ってもらうことを着地点に、やれることをやり尽くす」(熊切氏)、「管理は人が介入する仕事。引っ越してきたら隣や上下階に住む入居者に挨拶をするよう伝え、顔見知りの関係になることで大きなトラブル発生を防ぐ」(岡田氏)など、対応策を披露した。

 ゴミ出しの問題については、「入居者が学生の場合や、社宅の場合は、両親や企業の担当者ではなく、本人にしっかりとゴミの分別の仕方を伝えることが大切」(熊切氏)、「『ゴミ捨て場』ではなく『ゴミ置き場』とし、利用者の意識を変える必要がある」(岡田氏)といった解決法をアドバイス。佐藤氏は、「プライバシーを重視する傾向が強いため、中身を確認して違反した入居者を特定するのは避けたほうがよい。注意喚起の繰り返しや、けん制の観点からカメラを設置するなどの対処を」と語った。

 最後に、入居者トラブルに対する心構えとして、「面倒がらずファーストコンタクトで素早く対応し、コールバックの徹底で二次クレームにつなげないことが重要」(三好氏)、「何事も経験、心を鍛える意識を持って対応してもらいたい」(熊切氏)と述べ、岡田氏が「IT化が進み人ができる仕事は減っていくが、管理業は“人”でなくてはできない仕事。人に接して経験を積むことで成長につながることを心に留めていただきたい」と締め括った。


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