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大和ハ、「DPL」22年度は30物件着工へ

 大和ハウス工業(株)は25日、同社が展開するマルチテナント型物流施設「DPL」の2021年度の実績と今後の事業計画を発表した。

 21年度の着工数(予定)は、25件(総土地面積が97万4,000平方メートル、総延床面積162万6,000平方メートル)。コロナ禍や資材高騰の影響で複数物件の着工が22年度にずれ込み 、当初見込みの30件には到達しなかった。22年度の着工数は、現時点で30件(同109万9,000平方メートル、同158万7,000平方メートル)の見込み。「DPL札幌南III」(北海道北広島市)や「DPL新潟巻潟東」(新潟市西蒲区)など、同社の強みである地方での開発も進めていく。今後の注目エリアとしては北海道を含めた東北エリア、沖縄含めた九州エリアを挙げた。

 なお、今後の開発物件においては、原則すべての物件に太陽光パネルを設置するとした。テナントの満足度を高めるため、PPS(FIT売電)からPPA(Power Purchase Agreement、電力販売契約)へシフトする方針。また、将来的な売却を見据え、投資不動産としての価値を高めるため、BELSの取得とZEB仕様を標準としていく。

 トラックドライバーの時間外労働時間の上限が設定される「物流の24年問題」と関連して課題となっている物流業界の人手不足やアナログな労働環境といった課題解消に向けて、テナントサポートも強化する。同社では、人材派遣サービスやトラック予約受付サービスを紹介しているほか、21年7月に建築事業本部内に「物流DX推進グループ」を新設。専任スタッフが全国のテナントが抱える課題をヒアリングの上、業務のDX化に向けたサポートを実施している。経済産業省の公募事業である「AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業」にも参画しており、同事業での検証結果をテナント向けサービスに反映していく考え。

 同社建築事業推進部Dプロジェクト推進室室長の井上一樹氏は「当社として引き続きDPLの開発に注力していくスタンスは変わりないが、カントリーリスクやコロナ禍、資材高騰などを踏まえ、需給バランスを見て事業を展開していく。資材についてはグループ力を生かした調達を進め、コスト減を図りたい」と述べた。


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