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増収増益、いずれも過去最高/三菱地所22年3月期

 三菱地所(株)は12日、2022年3月期決算(連結)を発表した。

 当期(21年4月1日~22年3月31日)は、営業収益1兆3,494億8,900万円(前期比11.8%増)、営業利益2,789億7,700万円(同24.3%増)、経常利益2,537億1,000万円(同20.3%増)、当期純利益1,551億7,100万円(同14.4%増)。キャピタルゲインの増加、「常盤橋タワー」の稼働、商業施設・ホテルの回復、投資マネジメント事業のフィー収入増加などにより、いずれも過去最高を更新した。

 コマーシャル不動産事業では、新規ビル(常盤橋タワー、みずほ丸の内タワー等)の稼働や既存ビルでの賃料増額改定等により増収。期末のオフィスビル空室率は3.29%(同0.94ポイント上昇)となったが、21年12月末から22年3月末にかけては、リーシングの進捗により改善した。平均賃料は2万8,228円(同435円増)。丸の内エリアの空室率は、3.33%(同0.83ポイント上昇)。商業施設やホテルでは、緊急事態宣言の長期化や、4Qの蔓延防止措置発令により改善幅は限定的となった。そのほか、オフィスビル等の売却により不動産販売では大幅な増収となった。この結果、セグメント営業収益は7,606億5,800万円(13.1%増)、営業利益は1,899億900万円(同5.1%増)となった。

 住宅事業のうち、マンション事業では、「ザ・パークハウス高輪タワー」(東京都港区)、「ザ・パークハウス駒沢レジデンス」(東京都世田谷区)等3,046戸(同430戸減)を計上。売上計上戸数は減少となったが、平均戸当たり単価が増加したことにより増収となった。注文住宅事業は売上棟数、平均単価が増加。これらの結果、セグメント全体の営業収益は3,809億5,900万円(同5.0%増)、営業利益は301億7,300万円(同25.4%増)と、増収増益に。期末の分譲マンションの完成在庫は62戸(前期比151戸減)。

 海外事業は、米国の物流施設、ベトナム・ハノイのオフィスビル等の売却によりキャピタルゲインが大幅増加。セグメント営業収益は1,212億3,400万円(同5.9%増)、営業利益は558億1,600万円(同47.1%増)となった。

 次期については、営業収益1兆4,160億円、営業利益2,910億円、経常利益2,710億円、当期純利益1,650億円を見込む。海外でのキャピタルゲイン大幅増加やホテル、商業施設の需要回復により、営利、純利益ともに2期連続過去最高の見通し。


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