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100年経営の理由は「信頼関係」と「変化する力」

 (株)帝国データバンクは10日、「100年経営企業」アンケート調査の結果を発表した。業歴が100年を超える企業を対象にした調査で、回答企業数は1,090社。

 100年以上事業を継続できた理由(複数回答、以下同)について、1位は「取引先・顧客との信頼関係」(73.8%)、2位は「時代に合わせた事業内容・構成の変化」(64.4%)となった。
 一方で、3位は「身の丈経営」(51.2%)となり、半数超の企業が無理に成長を追わないことを理由に挙げた。自社の強みをベースに、歩幅は小さくても着実な成長を目指す姿勢ともいえ、100年経営の一つのポイントとなっていることがうかがえる。

 主力事業の創業からの変化については、「現在も創業事業が主力」(50.0%)、「創業事業から応用・派生した事業」(39.2%)、「創業事業とほとんど異なる事業」(10.7%)となった。半数は、創業時から事業内容を変化させているが、現在も創業事業を主力とする企業も、実は時代に合わせて製品の改良や新しい売り方への取り組みを続けていることが多く、こうした「変化する力」が、事業を長く継続させるために欠かせない要素となっていることが分かった。

 今後積極的に取り組みたいことについては、1位が「新製品・商品・サービスの開発」(38.0%)で最多に。2位は「SDGs、サステナビリティ経営への取り組み」(32.7%)となり、現代の課題にも積極的に取り組む姿勢が見られた。次いで「組織改編や業務プロセスの改善」(30.1%)、「新規事業への進出」(27.2%)が続いた。
 長寿企業は、保守的な印象を持たれがちだが、実際には、現状にとどまらず、常に将来を見据えて変化に挑んでいる企業が多いことがうかがえた。変化を厭わぬ姿勢を有していることが「勝ち残る企業の条件」の大きな要素となっていることが明らかとなった。


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