三井不動産(株)は20日、7月1日に開業するホテル「三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド」(千葉県柏市、客室数145室)をマスコミに公開した。
がん患者や付き添いの家族の利便性向上を図ること等を目指し、国立がん研究センター東病院(以下、NCC東病院)の敷地内に開発した。ホテルの運営は(株)三井不動産ホテルマネジメントが行なう。
ホテル部分の敷地面積は3,972.43平方メートルで、建物は鉄骨造地上7階建て。
客室は約22~60平方メートルと、広めの面積を確保。ストレッチャーが通過できるよう、間口を広く設計したほか、全室に転倒防止バーやケアスタッフにダイレクトでつながる呼び出しボタンを設置した。オストメイト対応のシンク・シャワー付きのトイレを設置した客室や、長期滞在にも対応できるよう洗濯機やキッチンを備えた客室も用意している。
がん患者およびその家族に適切なサービスを提供するため、NCC東病院の協力のもと、ホテルスタッフががんに関する基礎知識などを習得すると共に、サービス介助士の資格取得も進める計画。専任のケアスタッフは24時間常駐し、体調不良時などにはすばやく対応するほか、相談窓口として不安や悩みにも答える。本人の同意のもと、ホテル・病院間でコミュニケーションツールを用いた患者情報を共有する仕組みも導入する計画。
2階の一部はNCC東病院の外来拡張エリアで、10室の診療室を設置。うち2室についてはオンライン診療の環境を整備した。さらに約100平方メートルのライブラリーコーナーを設けたラウンジも開設。飲食スペースとして活用してもらうほか、(株)資生堂と連携し、外見の変化をカバーできる化粧方法などを学ぶイベントや緩和ケアに関するセミナーなどを開催していく予定。
1階には、レストラン「丁字屋」がオープン。NCC東病院の協力のもと、食べやすいメニューを揃えると共に、分量や味付けなどの変更にも対応。朝食ブュッフェでは、小鉢を20種類程度用意し、患者が自分の食べられる量やメニューを選択できるようにする。さらに客室で食事をしたいというニーズに応えるために、AIロボットがテイクアウトメニューを客室まで届けるサービスも試験運用する。
三井不動産ホテル・リゾート本部ホテル・リゾート事業一部長の内川孝広氏は、「きめの細かいサービス提供により、がん患者さんとそのご家族の治療・滞在をサポートしていく。併せて、リモートワークもできる環境を整えた。仕事を続けながら治療をする患者さんもサポートしていきたい」と述べた。
開業は7月1日。
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