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住宅は住まい手主導でつくる時代へ/アキュラH

 (株)アキュラホーム住生活研究所の「住まい手が参加する住まいと住環境づくりの意味と実践」研究会(住まい手参加研究会)は28日、2回目のシンポジウム「住まいづくりを楽しむ時代へ~私たちが改めて気づき学んだこと」を開催。会場とオンラインあわせて約1,100人が参加した。

 同研究会は2018年に発足。座長は東京大学大学院特任教授の松村秀一氏。そのほか、長岡市総合政策アドバイザー(前長岡造形大学理事長)の水流 潤太郎(つる・じゅんたろう)氏らが会のメンバーとして参加している。“住まい”が暮らし方や生き方を実現する手段として捉えられるようになってきている中、住まい手の住まいづくりへの考え方、DIYやリノベーションのニーズ等を調査・研究してきた。19年に1回目のシンポジウムを開催、20年以降はコロナ禍で開催を見送っていた。

 今回のシンポジウムでは、研究会メンバーが最近のDIYに関する事例等を紹介しながら講演した。
 松村氏は、直近に視察した鹿児島県全域で展開されている古民家再生プロジェクトについて発表。古民家をDIYして、ゲストハウスやカフェといった事業を展開したい移住者をサポートする仕組みについて、「プロジェクト全体をマネジメントする人がキーマンになっている。DIYには、施主も含めて地域の人々が楽しんで参加しており、そこにはいい意味での“ゆるさ”がある」などと述べた。

 水流氏は、自身も参画する新潟県長岡市でのまちづくりについて紹介。既存物件を活用したさまざまな地域拠点が生まれる中で、「地域の生活者が創造する側になることで幸福感が増している」と言及。自らがつくる活動は、他者との良質なコミュニケーションの機会増加につながるとし、「住まいのカスタマイズ、DIY、リノベーションなどは、私たちが創造する生活者になるための恰好の舞台だと思う」と話した。

 同社代表取締役社長の宮沢俊哉氏は「今日の講演を聞いて、これからは住まい手主導でつくられる住宅が求められていくと感じた。供給側はそれに合った体制を整えなくてはいけない」と結んだ。


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