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上智大学に耐火構造の木造キャンパス/住友林業

「上智大学四谷キャンパス15号館」外観

 住友林業(株)は29日、設計・施工を担当した「上智大学四谷キャンパス15号館」(東京都千代田区)を報道陣に公開した。

 建設地は、麹町大通り(新宿通り)に面した駅からのアクセスも良好な位置。木造地上3階建ての耐火構造建物。延床面積は478.35平方メートル。ポストテンション耐震技術を活用。一部の柱には耐火木質部材「木ぐるみFR」を採用することで、主要構造部の木のあらわしを可能としている。内装にも木材を積極的に使用しているのが特長。

 外観は、異なる太さの木材を交差させた格子で覆うデザインを採用。多摩産材(東京都産)のスギを使用して、地産地消に貢献。さらに住友林業オリジナルのシリコン系超撥水形塗料を塗布し、高い撥水性と潤滑性による防汚性を確保した。太陽光、風雨、温度変化に対しても変質や劣化を起きづらくして、外観の美しさを長く保つ工夫をしている。屋上略化や壁面緑化も採用。緑を増やし、景観改善、気温上昇抑制など、地域環境に貢献する造りとした。

 2・3階には、教室を1つずつ用意。2階は、高さの異なるくの字型の変形テーブルを設置。3階は語らいの場となるひな壇を設け、造作したベンチを配置した。教室の外には参加者の人だまりを促進するためのテラス空間も創出する。1階には、一般の人も利用できるカフェをオープンする。

 当施設の構造躯体のCO2排出量は概算で217t。一般的な鉄筋コンクリート造と比較すると15%、鉄骨造との比較では20%削減できるという。なお、千代田区の建築物環境計画制度の「特別有料環境建築」に認定されている。同キャンパスは「プロフェッショナル・スタディーズ」の会場としての活用を予定。施設の供用開始は今秋。

3階教室。造作ベンチを配置している
壁面緑化(写真)や屋上緑化も採用


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