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オフィス選びで今後重視、「災害対応」が7割

 (株)ザイマックス不動産総合研究所は20日、「ESGからみるオフィスビル設備」を発表した。

 ビルの環境認証を取得する動きが増加する中、SDGsやESGに配慮したビルの設備や仕様への関心が高まっている。そこで、早稲田大学石田航星研究室との共同研究により、ESGの観点で企業が入居するビルを選ぶ際に求める項目や設備についてアンケート調査を行なった。(株)ザイマックスインフォニスタの首都圏取引先企業2万7,801社を対象に7~8月にかけてウェブ調査を実施。有効回答数は555件。

 関心の高いESG要素では、「E(環境)」については「省エネルギーの推進」(60%)、「S(社会)」については「労働環境への配慮」(72%)、「G(企業統治)」については「法令遵守」(88%)が最多となった。

 「企業が入居するビルを選ぶ際に特に重要と思う項目」については、【執務スペース】では、「快適な温度・湿度・空気環境が保たれていること」(76%)が最多。次いで「セキュリティ性能が高いこと」(72%)、「快適な情報通信環境が整っていること」(62%)となった。【トイレ・給湯室】では、「健康や衛生に配慮していること」(74%)、【その他共用部・ビル全体】では「セキュリティ性能が高いこと」(75%)が最も多い結果となった。

 「従業員からの要望の多い設備や仕様」については、「ウェブ会議用の個室や会議室」(140社)が多く、関心の高さがうかがえた。一方で設置についての課題として「専有部に余裕がない」や「レイアウトの変更が難しい」、コスト面の不安があることが分かった。そのため、共用部や近隣での展開を希望するコメントも多かった。

 「オフィスビルにおいて今後重要度が高まる項目」には「災害対応がしっかりしていること」(70%)や「セキュリティ性能が高いこと」(66%)、「健康や衛生に配慮していること」(54%)、「省エネや環境に配慮していること」(54%)、「快適な情報通信環境が整っていること」(50%)が5割を超えた。

 また、「今後オフィスビルに求めることや変化している設備」については、多くの企業が「災害・緊急時対応、BCP」(80社)への関心が高く、「ビル側で計画してる対策の定期的な情報共有」や「共用部での食料など備蓄スペースの確保」といった要望があった。また、エネルギー性能が高い設備や再生可能エネルギーや個別の状況に応じて自ら調整・自動制御できるシステムの導入や電力の見える化等の「省エネや環境」に関する要望も多かった。


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