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冬期の床コンクリート仕上げ時間を約3割削減

実証を行なった施工現場(さいたま市)

 大和ハウス工業(株)、太平洋マテリアル(株)は2日、大和ハウス工業の全国の商業施設および事業施設の建設現場において、冬期の床のコンクリート仕上げ時間を約3割削減する工法の導入を開始した。

 建設業は、年間の総実労働時間が全産業と比較して約1.2倍と長く(2020年国交省調べ)、就業環境の改善が課題となっている。

 そこで両社は季節により作業時間が大幅に変動する床のコンクリートの仕上げ時間に着目。22年2月、大和ハウス工業の物流施設の建設現場の一部の床において、コンクリートの硬化を促進する混和材料「太平洋N-EX neo(ネックス ネオ)」を使用する実証実験を実施。結果、一般的なコンクリートと比較し、仕上げ時間を約10時間から約7時間と約3割短縮する工法を開発した。

 全国の施工現場で同工法を順次採用することで、深夜作業の削減や、床のコンクリートの品質向上および安定化を目指す。

 今後、大和ハウス工業では、床のコンクリートの性能値を含む施工データを数値化し「コンクリート床仕上げロボット」に組み入れることで、省人化の促進など建設現場におけるDX化を推進していく考え。太平洋マテリアルは23年3月より「太平洋N-EX neo」の一般販売を開始すると共に、コンクリートの低炭素化・脱炭素化に向けて、環境配慮型コンクリートの開発にも取り組んでいく。


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