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高性能フィルター搭載の全館空調、睡眠改善に効果

 パナソニックホームズ(株)は15日、住宅用全館空調システムの健康症状、生活品質への影響についての調査結果を発表した。

 慶應義塾大学理工学部の伊香賀 俊治教授との共同研究・調査。同研究では換気・空調設備の違いが居住者に与える影響について着目。ZEH水準以上の断熱性能を備えた住宅を空調方式ごとに「高性能フィルター搭載の全館空調」(553棟)、「床暖房」(274棟)、「個室毎の冷暖房」(581棟)と3つに分類分けし、それぞれの転居者を対象に健康症状項目(花粉症、アレルギー性鼻炎、手足の冷え)、生活項目(風邪、疲れ、活動意欲、寝つき、眠りの質、寝起き)の変化についてアンケート調査を行なった。対象地域は東北~九州(省エネ地域区分の4~7地域)、調査期間は2019年2月~21年12月。

 「高性能フィルター搭載の全館空調」搭載の住宅に転居した人で、健康症状項目が「改善」したと回答した人の割合は、花粉症が38.7%、アレルギー性鼻炎が31.3%、手足の冷えが67.1%となった。「個室毎の冷暖房」を導入した住宅よりも花粉症が1.63倍、手足の冷えが2.93倍改善率が高く、「床暖房」との比較でも花粉症が1.42倍、手足の冷えが2.10倍改善率が高かった。アレルギー性鼻炎については、「個室毎の冷暖房」比で1.36倍、「床暖房」比で1.47倍改善率が高かった。

 生活項目では、「高性能フィルター搭載の全館空調」は「個室毎の冷暖房」比で、風邪が1.31倍、疲れが1.23倍、活動意欲が1.79倍改善率が高く、活動意欲は「床暖房」比でも1.30倍改善率が高かった。睡眠(寝つき・眠りの質・寝起き)に関しては、「個室毎の冷暖房」比で1.54~17.6倍、「床暖房」比で1.20~1.46倍改善率が高かった。

 これらの結果、「高性能フィルター搭載の全館空調」を導入した住宅への転居者は、健康症状項目・生活項目において改善率が有意に高いことを確認。今回の調査研究で得た知見・成果を商品開発に生かしていく。


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