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23区オフィス、オールグレード賃料が2期連続上昇

 シービーアールイー(株)(CBRE)は25日、2024年第1四半期の全国13都市オフィスビル市場動向調査の結果を発表した。

 東京(23区)のオールグレード空室率は4.3%(前期比0.4ポイント低下)。新規需要は過去四半期の平均の約1.5倍の6万3,000坪となった。築浅の大型ビルを中心にグレードアップや立地改善、建て替えによる移転などで空室消化が進んだ。オールグレード賃料は1坪当たり2万1,370円(同0.3%上昇)と2期連続で上昇した。空室消化が進んだビルで賃料を従前の水準に戻すケースが増えている。
 グレードA(※)の空室率は4.8%(同0.9ポイント低下)。今期は新規供給がなかったことに加え、昨年竣工した新築ビルで複数の大型空室が消化されたため、空室率は全グレードで最も低下幅が大きかった。グレートA賃料は3万4,900円(同0.7%上昇)と、小幅上昇が続くも、24年末には緩やかながら再び下落に転じると見られ、向こう1年間では0.4%上昇を見込んでいる。

 大阪は、オールグレード空室率が3.5%(同0.6ポイント上昇)。新規供給が空室を抱えて竣工したことが要因となった。オールグレード賃料は1万4,220円(同0.2%上昇)。
 グレードAの空室率は5.8%(同3.4ポイント上昇)。24年に予定されている新規供給の4割に当たる約3万4,000坪が竣工し、そのうちグレードAが約2万7,000坪を占めており、それらが一定の空室を残して竣工したことが空室率上昇につながった。グレードA賃料は2万3,900円(同変化なし)となり、向こう1年間ではマイナス2.7%を見込んでいる。

 名古屋は、オールグレード空室率が5.8%(同0.2ポイント上昇)。新規供給が空室を抱えて竣工したことが上昇の要因。オールグレード賃料は1万3,930円(同0.9%上昇)。4年ぶりにすべてグレードで上昇した。
 グレードAは空室率が8.8%(同0.3ポイント上昇)と上昇。同グレードストックの5%に相当する0.9万坪の供給があったものの、小幅な上昇にとどまった。グレードA賃料は2万6,850円(同0.8%上昇)。グレードA賃料は向こう1年間で0.9%下落すると予想している。

 地方都市のオールグレード空室率は、10都市中7都市で対前期比低下、3都市で上昇した。新規供給を主因に空室率が上昇した都市は見られたものの、拡張移転や建て替え移転、館内増床等で全国的に空室消化が進んだ。オールグレード賃料は、10都市中9都市で前期を上回り、1都市では横ばいとなり、コロナ禍の始まった20年第1四半期以降初めて、下落した都市がみられなかった。


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