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テナントの“自助力”向上へ、新会社を設立/三井不

新会社のロゴ

 三井不動産(株)は、ITコンサルティング等を展開するフューチャー(株)(東京都品川区、代表取締役会長兼社長 グループCEO:金丸恭文氏)と資本業務提携を目的とした合弁契約を締結し、1月に新会社「アンドレジリエンス(株)」を設立。災害対応力強化支援サービス「&Resilience」の機能を拡充し、新会社を通じて3月より提供を開始する。

 2022年3月にリリースした「&Resilience」は、企業のBCP策定・運用について、専門性の高いパートナーコンサルタントが年間を通じてサポートする定額会員制サービス。47の問診を基に事前対策の進捗度を診断する「脆弱性診断」、災害時のさまざまな状況を想定したシナリオ動画を基に必要な行動を考え、事後対応力を定量評価する「見える化訓練」を通じて、企業および社員が抱える課題を洗い出し、行動計画の改善を図る。年会費は30万円。

 累計1,000社・3,000人以上が参加した訓練データを基にした調査によると、災害時に備えて「備蓄等の事前対策が行なわれている」割合は大企業が70%、中小企業が48%と、大半の大企業が事前対策を進めていることが分かった。一方で事後行動力については、多くの大企業・中小企業が「災害時に大混乱に陥り、人命安全確保も十分に必要な対応できない」という水準にとどまっており、さらなるサポートが必要だと考え、新会社の設立に至った。

 今回のサービス拡充では、「脆弱性診断」「見える化訓練」によって抽出した課題と対策を効率的に管理できるシステムを構築。対策実施期限のリマインド機能、パートナーコンサルタントのコメント機能、マニュアルのバージョン管理機能などを整備した。また、23年秋を目途にオンデマンド型サービスの提供も開始する計画。社員一人ひとりが都合に合わせて訓練を受講できるようにする。

 同日会見したアンドレジリエンス代表取締役社長の伏木宏之氏は、「三井不動産は日本橋を中心に多数の大規模ビルを運営・管理している。災害時すべてのテナントに対応することが困難なため、テナントの“自助力”を高めようと思ったのが企画立ち上げのきっかけだった。当サービスをさらに普及させることで、災害によって亡くなる人、失われる企業を少しでも減らしていきたい」等と語った。


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