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東建、三次元位置情報をビル管理業で活用

スマートビル管理システム上の管理員の位置の見え方(イメージ)

 東京建物(株)は11日、広域・高精度の三次元位置情報を提供するMetCom(株)と屋内測位技術と垂直測位サービス「Pinnacle」を組み合わせ、ビル内の管理員の位置を三次元で捕捉する実証実験を実施。誤差1mレベルで把握できることを確認したと発表した。ビル管理業務に三次元位置情報を活用するのは、今回が初めての事例。

 従来の測位技術では、屋内の位置情報を正確に把握できず、ビル管理業務では実用化されていなかった。両社は、2023年3月、「東京建物日本橋ビル」(東京都中央区)の地下1階から地上2階の各フロアにて検証を実施。同ビルで20年12月より導入しているスマートビル管理システム「Dynamic Building Matrix」(DBM)と三次元位置情報を、新たに開発した管理員のスマートフォンのアプリケーション内で連携させることにより、「ビル内の何階のどの部屋に管理員がいるのか」を瞬時に把握できるようにした。

 今回の検証用に開発した同アプリは、水平測位と垂直測位の組み合わせにより高精度三次元測位が可能。ビル内の22ヵ所にWi-Fiアクセスポイントを設置した。高精度三次元位置情報をDBMに取り込んで、区画表示された領域のどこに管理員がいるかをリアルタイムにマッピングして表示する。

 今後は、23年中をめどにスマートフォンの活用による点検作業時間の削減および管理員の正確な位置の共有、対応の迅速化、記録の蓄積を通して、初動時間、点検作業時間の削減を定量的に検証する。記録蓄積により効率的な巡回ルートのシミュレーションが可能となる。

 将来的には、MetComがまち全体をカバーする形で無線基地局を設置することで、建物内にWi-Fiアクセスポイントといったインフラ設備を設置することなく、高精度三次元位置情報が取得できるようにする計画。


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