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三菱地所、スマートホームサービス外販の初弾を公開

「ヴァースクレイシアIDZ板橋本町アーバンレジデンス」棟内モデルルームのリビング

 三菱地所(株)は15日、同社の総合スマートホームサービス「HOMETACT(ホームタクト)」の外販初弾物件において、プレス向けにデモンストレーションを行なった。

 物件は、プロパティエージェント(株)が分譲中の「ヴァースクレイシアIDZ板橋本町アーバンレジデンス」(東京都板橋区、総戸数38戸)。都営三田線「板橋本町」駅まで徒歩5分、敷地面積は205.77平方メートル。鉄筋コンクリート造13階建て、延床面積は1,536.91平方メートル。専有面積は25.47~56.15平方メートル、間取りは1K、1DK、2LDK。1K30戸は投資用として先行販売し、完売済み。3月13日に竣工し、残りの8戸を4月中旬に発売した。坪単価は約340万円。

 ホームタクトは、住宅設備機器や生活家電をスマートフォンアプリやスマートスピーカーなどと連携させ、宅内での暮らしを便利にするオープンプラットフォーム。特定のメーカーや通信規格に依存せずに複数メーカーのIoT機器をワンストップで操作できる点が特徴。スマホのホームタクトアプリやスマートスピーカーへの音声指示で家電の操作・制御ができるほか、あらかじめ設定しておけば時間や位置情報を実行条件に特定の家電・機器を自動で動かせる。

 また今回の物件では、分譲マンションで初めて、ホームタクトが連携している顔認証プラットフォーム「FreeiD(フリード)」(開発:DXYZ(株))を導入。ユーザー(入居者や管理会社)は、ホームタクトで入居者登録をすると、フリードから登録招待メールが送信され、フリードに顔写真等を登録すれば、エントランスドアからメール・宅配ボックス、エレベーター、個別住戸の玄関ドアを顔認証で通過できるようになる。

 DXYZ取締役社長の木村 晋太郎氏は、「フリードは単なるマンションの顔認証キーではなく、本人確認や決済といったさまざまな機能への拡張を考えている。国内ですでに実装例も出ている。今回、ホームタクトと連携したことで、ホームタクトが『家の中』の生活を効率化し、フリードが『家の外』の生活を『手ぶら』にすることができる」という。

 同物件は、ホームタクトの外販第1号。通信規格や特定のメーカーに依らない点が評価され、今回以外にも同業他社や住宅メーカーなどからの引き合いが強い。今後、新築だけでなく既存物件のバリューアップの材料としてホームタクトを個人・法人オーナー、不動産管理会社らに売り込んでいくという。「フリードとの協業を進める上でも、既存マーケットは大きな魅力であり、着々と準備を進めていく」(三菱地所(株)住宅業務企画部新事業・DXユニット・橘 嘉宏氏)。

顔認証によってエントランスやメール・宅配ボックス等のロックを解除できる


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