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渋谷のまちづくりは「面的連携」へ/東急G

2024年春に開業予定の東急不動産の商業施設「東急プラザ原宿」。神宮前交差点角地にあることから「ハラカド」の愛称を付けた

 東急(株)および東急不動産(株)は30日、渋谷駅施設改良とそれに伴う再開発に端を発した「広域渋谷圏(グレーター渋谷)」のまちづくり戦略について発表した。これまで同様、渋谷駅を中心とした半径2.5キロ圏内で新たな拠点の面的展開を続ける一方で、既存施設も含めた拠点同士の「面的連携」を意識。各拠点の連携を図るためのソフト戦略にも力を入れる。

 東急グループは、2011年より渋谷駅周辺での再開発に着手。東急文化会館跡地の再開発「渋谷ヒカリエ」開業(13年)を皮切りに、東急東横線の地下化により生み出された鉄道施設跡地の再開発や、グループ保有施設の建て替え・再開発により、約44万平方メートルの新規床を生み出し、渋谷駅の乗降客数増加、インバウンドの増加、人流の増加につなげてきた。「渋谷のまちづくりは、駅とまちが一体となった『TOD』(Transit Oriented Development=公共交通指向型開発)であり、当社ならではといえる。駅を中心とした5街区が完成すれば、グループ全体で延床面積85万平方メートルという、世界でも類を見ないTODプロジェクトとなる」(東急 渋谷開発事業部事業部長・坂井 洋一郎氏)。

 今後、駅周辺では「Shibuya Sakura Stage」(東急不動産)が24年夏にまちびらきとなるほか、渋谷ヒカリエとデッキで直結する複合ビル「SHIBUYA AXSH(アクシュ)」(旧渋谷2‐17地区プロジェクト、東急)が24年度上期に開業する。さらにグレーター渋谷エリアでも、神宮前交差点角地の商業施設「東急プラザ原宿(ハラカド)」(東急不動産)が24年春、代官山の住商職の複合施設「Forestage Daikanyama」(東急不動産)が23年10月などの新たな拠点開業が相次ぐことから、グループではグレーター渋谷まちづくりの第2ステージと位置付ける。

 東急不動産は、グレーター渋谷の魅力を「価値想像力」「発信力」「多様性」とし、その魅力を伸ばすべく、都市のメディア化などの「発信」、多様な人や企業の「集積」、新しい体験や事業の「創造」の循環に取り組む。商業施設や、エリアのコミュニティを通じ、クリエイターを支援し育てる場を展開。商業施設入居者間の共創を加速させる施設運営コミュニティの設置や、共に施設をつくるクリエイターの募集なども実施する。

 新たな拠点展開と、これらの取り組みを同時進行することで、施設展開の面的な広がりに加え、施設やエリアに関わる人や企業のアライアンスやパートナーシップの構築による施設間の面的連携を強化する。


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