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東急不、ビル屋上での菜園活動に「芋緑化」

「ウノサワ東急ビル」屋上

 東急不動産(株)は6日、10年にわたり取り組んできたオフィスビル屋上での菜園活動「Vegetable Smiles」(以下、ベジスマ)に、空調設備の省エネ効果が見込める仕組みである「室外機芋緑化システム」(以下、芋緑化)を採用すると発表した。

 ベジスマは、新目⿊東急ビル(東京都品川区)など同社保有オフィスビルの屋上やテラスで実施してきた菜園活動。これまでにトウモロコシやブドウ、スイカなど50種類以上の野菜や果物を栽培・収穫しており、加工品づくり等のイベントによるテナント同士のコミュニケーション醸成や、ビル内の飲食店舗のオリジナルメニュー作成、また地域住⺠や近隣の保育園に通う子供たちの環境教育などにつなげている。

 芋緑化は、(株)日建設計と住友商事(株)が共同で開発した技術。空調室外機の周りに芋の葉を繁茂させ、葉による日陰効果と蒸散作用により機器周辺の温度を下げることで空調電力の低減効果を得る。2021年にウノサワ東急ビル(東京都渋谷区)室外機置場を使った実証実験を実施。夏期のエネルギー削減傾向が見られたことから、22年に渋谷道玄坂東急ビル(東京都渋谷区)、新目⿊東急ビルへ設置範囲を広げて実験を継続。省エネ効果の学術的な裏付けを得るため、日建設計、早稲田大学と共同研究を⾏ない、日中において最大約10%の省エネ効果がもたらされることも確認した。

 今後は、芋緑化を取り入れたベジスマを強化していく。東急不動産の本社である「渋谷ソラスタ」が所在する渋谷道玄坂エリア(国道246号沿い)を重点エリアとし、23年度は芋緑化については新たに2施設(渋谷スクエアA、渋谷プレイス)、屋上菜園については4施設(渋谷ソラスタ、渋谷センタープレイス、渋谷道玄坂東急ビル、渋谷フクラス)に展開することで、ベジスマの採用ビルを、22年度までの5施設から10施設(内6施設が渋谷道玄坂エリア)へと拡大する。


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