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トーチタワー、有楽町エリアの再開発に注力/三菱地所

専門紙記者の質問に答える取締役兼代表執行役執行役社長・中島 篤氏

 三菱地所(株)は19日、専門紙記者を招き、4月に取締役兼代表執行役執行役社長に就任した中島 篤氏との懇話の場を設けた。

 アフターコロナの現状について、「在宅勤務の浸透によりオフィス不要論も聞かれたが、決してそのようなことはない。オフィスの使い方に変化はあったかもしれないが、オフィスの重要性は変わっていない」と力強く語った。またオフィスの大量供給が叫ばれるマーケットについては、「オフィスの需要は底堅い。しかし、マーケットへの供給量が多いのも事実で、すべてのオフィスが満室に稼働するという状況にはならないだろう」と述べ、東京、そして日本が、魅力を発信し、世界市場から選んでもらえるようにしていく必要がある、とした。

 大丸有(大手町、丸の内、有楽町)の再開発については、トーチタワーの竣工に向け注力すると共に、今後は有楽町エリアの開発に力を入れていく計画。「有楽町駅前を含め有楽町界隈の開発は遅れているが、これから重点的に更新させていく。有楽町らしい、オフィスとしても価値のあるものを社内で検討。再開発を進めていく」と述べた。

 4月の社長就任会見では(1)大丸有エリアの圧倒的な魅力向上、(2)グローバル化、(3)SDGsという事業において重点的に取り組む3つの取り組みを掲げたが、その他に力を入れていく取り組みとして、住宅事業を挙げた。「三菱地所レジデンス(株)はマンション分譲のイメージが強いかもしれないが、賃貸住宅、シニア向け施設、学生マンションなどを開発・運営するなど、多岐にわたっている。また土地を仕入れるセンス・能力が非常に高い。現在力を入れている海外事業でも住宅事業に取り組んでおり、三菱地所レジデンスから出向して現地で活躍している社員も多い。その能力をグループ内でコラボレーションさせることで大きな成果につなげることもできるだろう。どのような形がいいかも含めて考えを巡らせている」(同氏)。


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