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定期借地権マンション、借地期間は徐々に長期化

 (株)東京カンテイは31日、「定期借地権付き分譲マンション」についての調査レポートをまとめた。同社のデータベースに登録されている物件のうち、2023年6月時点で竣工済み、もしくは26年までに竣工予定の定期借地権付き分譲マンション(以下、「定借マンション」)を対象として集計した。

 1992年に新借地借家法が施行されたことを受けて、94年に神奈川県や愛知県で定借マンションが竣工してから、2022年12月末時点での定借マンションストックは全国で657棟3万3,915戸。都道府県別では、東京都が122棟1万1,263戸で戸数ベースでは最多。続いて大阪府が79棟5,478戸、愛知県は142棟4,342戸となった。愛知県は棟数ベースでは全国トップとなる。「愛知県では、定借マンションの黎明期から積極的に供給していたディベロッパーがあるため、供給が進んでいる」(同社)。また、これまでに定借マンションの供給がなかったのは13県と、大都市圏だけでなく地方圏においても全国的に幅広く開発されてきた。

 年間の竣工棟数は、1994年に6棟170戸から翌95年に19棟342戸、96年38棟1,340戸と急激に増加。99年に51棟2,221戸が竣工し、棟数ベースではピークを迎えた。戸数がもっとも多かったのは2003年の44棟2,503戸。10年以降は毎年5~15棟前後の竣工で推移している。

 定借マンションの借地期間について、竣工年別に集計。全国ベースでは、初の定借マンション供給が行なわれた1994年は平均52.8年だったのに対して、徐々に長期化し、2006年に60.6年と初めて60年を超えた。近年はさらに長期化が進んでおり、22年の平均は72.7年となっている。定借期間の最長も、1994年の60年から徐々に長期化していき、2010年以降はすべて70年以上となっている。14年と20年には80年の定借マンションが登場している。


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