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ネット・カーボンマイナス賃貸住宅の実用化へ

 大和ハウス工業(株)、大和リビング(株)は5日、エネルギー事業を展開する(株)サンワと共に、サンワが事業主となる賃貸住宅「(仮称)エコンフォート前橋駒形」(群馬県前橋市、総戸数16戸)で、ネット・カーボンマイナス賃貸住宅の実用化に向けた実証実験を12月より開始すると発表した。

 同物件は2棟構成で、敷地面積約1,983平方メートル、延床面積935平方メートル、軽量鉄骨造地上2階建て。専有面積は52.51~ 64.46平方メートル、間取りは2LDK。全戸ZEH仕様かつ住棟単位で「ZEH-M」の基準を満たし、建築物省エネルギー性能表示制度「BELS」による第三者認証を取得している。竣工・入居開始は2023年12月の予定。

 実証実験では、「全天候型3蓄電池連携システム」とカーボンニュートラルLPガスを導入。3社でエネルギーの供給状況、稼働率、余剰電力のデータを集積し、分析・評価を行なう。期間は23年12月27日~25年12月26日。

 「全天候型3蓄電池連携システム」は、太陽光発電システムとエネファーム、家庭用リチウムイオン蓄電池を大和ハウス工業が開発した「切替盤」で連携。停電時の電力と給湯を確保し、通常時の光熱費を削減するシステム。雨天時でも約10日間の電力・給湯を確保できる。また、カーボンニュートラルLPガスは、原料採取や最終利用までのすべての過程で排出されるCO2を森林管理等による環境保全活動で差し引き、実質排出量「ゼロ」としたプロパンガス。

 実験結果を踏まえ、高効率な利用方法やエネルギー制御システムの改善・開発、導入コストの削減など、最適な提案・技術的な進展およびネット・カーボンマイナス賃貸住宅の実用化を目指す。また両社が培ったノウハウを生かして、災害時のストレスを低減する間取り・サービスや、IoT連携の提案も行なっていく。


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