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木の空間が身体に与える好影響について実証研究/三井不

 三井不動産(株)、三井ホーム(株)、国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部はこのほど、木の空間が身体にどのような良い影響を与えるかを科学的に証明する実証研究を開始した。

 木を使った空間については、木の持つ温もりを五感で感じられ、リラックス感を得られるといった効果は知られている。しかしその空間が与える人への効果については未知の事実も多い。そして、匂いについては、その成分が生物に作用する場合があることが分かっていて、認知していない匂いであっても、その効用を受けることができると言われている。そこで、木の匂い、ひいては木材を採り入れた空間と健康の関係性について解明する取り組みとして、2つの研究に着手した。

 「木質・木造空間の匂いと、光環境調整効果が睡眠に及ぼす影響について」の研究では、「スギなどの樹種がその特有の匂いによって人の副交感神経活動を優位にさせるため、呼吸数や心拍数を下げ、身体の回復や精神の鎮静化を促す」、「睡眠を妨げるブルーライトなどの短波長の光を吸収しやすい性質があるため、木材を採り入れた空間の光環境は快眠を促す」という仮説を立てて、数種類の木材を用いて樹種による効果の違いについて実験を行なう。

 また、「木質建材の発する匂いが認知症予防に与える影響について」の研究では、認知症発祥の前触れの一つである嗅覚障害に注目。木の匂いに包まれることで脳内にある認知症の原因箇所に刺激を与えると認知症の発症を遅らせることができるのかについて、数種類の木材を用いて匂いの空間をつくり、動物実験を通じて解明する。


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