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海外での不動産開発を加速/西鉄

西日本鉄道の林田浩一社長(左)と西鉄ホテルズの豊福辰也社長(右)

 西日本鉄道(株)は20日、2023年度の事業戦略説明会を開催。西鉄グループ代表の林田浩一氏が、直近のトピックスや今後の事業展開等について説明した。

 同社グループは、第16次中期経営計画(23~25年)の中で、持続可能で活力あるまちづくり等を重点戦略に掲げている。現在、不動産事業では、本拠地である福岡・天神エリアで「天神ビックバン」と連動した大型開発プロジェクトを推進。「福ビル街区建替プロジェクト」が25年春に開業予定のほか、天神2丁目南ブロック(パルコ・新天町エリア)や天神1丁目北ブロック(水鏡天満宮周辺エリア)の再開発にも参画する計画。

 天神エリア以外の沿線開発にも力を入れる。「22年8月に天神大牟田線『雑餉隈』駅~『天大利』駅間の高架化事業が完了しており、高架下空間を活用したにぎわい創出に取り組んでいく。また、24年3月には新駅「桜並木」駅が開業予定で、同駅を中心としたまちづくりにも注力していきたい」(林田氏)。

 海外での不動産開発も加速していく。同社グループは現在、アジアで住宅開発を、アメリカで収益不動産開発を推進。直近では、フィリピン・バタンガス州で戸建・タウンハウス(総戸数898戸)を、米国・テキサス州で賃貸アパート(総戸数261戸)等をそれぞれ開発中で、第16次中計最終年度(25年度)投資残高約300億円を見込む。

 ホテル事業においては、現在、国内で18店舗、海外で4店舗を展開。23年4月より経営体制を変更し、(株)西鉄ホテルズがホテル経営・運営を一気通貫で担当。西鉄ホテルズ内でノウハウを蓄積しブランド力を高めることで、ホテルオーナーからの運営委託などの「ノンアセット出店」にも力を入れていく方針。

 今後の商品計画について林田氏は、「コロナ禍を経て、長期滞在ニーズや仕事場としての活用など、新たな宿泊ニーズが出てきた。これを踏まえ、23年4月に開業した『西鉄ホテル クルーム 博多祇園 櫛田神社前』では設計を全面的に見直し、複数人が利用できる客室等を用意している。今後もこうしたニーズの変化を想定して、さまざまな客室タイプを揃えておくことが重要だと考えている」等と語った。


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