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木材事業の減収響き減収減益/ナイス24年3月期2Q

 ナイス(株)は22日、2024年3月期第2四半期決算(連結)説明会をオンラインで開催した。

 当期(23年4月1日~9月30日)は、売上高1,021億円(前年同月比10.5%減)、営業利益3億8,800万円(同84.3%減)、経常利益4億6,800万円(同79.7%減)、当期純利益25億1,100万円(同31.3%増)。木材事業における減収が響き、減収減益となった。

 建築資材事業では、木材事業において、非住宅分野での受注や住宅分野におけるプレカット事業の受注棟数が好調だった一方、住宅1棟分の木材を国産材でコーディネートする「国産材パッケージ」は、木材価格の調整局面の長期化により収益性の回復力が遅れた。その結果、セグメント売上高は830億9,800万円(同11.9%減)、セグメント営業利益は11億5,400万円(同62.0%減)だった。

 住宅事業では、主力エリアである横浜・川崎エリアのほか、宮城県仙台市、新潟県新潟市、栃木県宇都宮市等でのエリア戦略に注力。期中は、新築マンション35戸(同12戸減)、戸建住宅86戸(同22戸減)を計上したが、いずれも前年同期を下回ったため、セグメント売上高142億8,700万円(同3.1%減)、セグメント営業損失8,300万円(前年同期営業損失1億9,500万円)と減収減益となった。

 通期見通しについて、同社代表取締役社長の杉田理之氏は「木材は下期に入り、在庫や価格調整が落ち着き、底堅く推移する見込みだ。また、当第4四半期に竣工予定の新築マンションも9月末時点で約82%が契約済みであるほか、戸建住宅も通期計画に対して70%超で進捗するなど好調に推移している」とした。これらの結果、通期業績は売上高2,300億円、営業利益32億円、経常利益30億円、当期純利益40億円を見込む。

 併せて、23年6月に公表した「中期経営計画2023」における方針を紹介。重点戦略の一つである建築物の木質化・木造化においては、「22年5月、当社本社ビルにおいて、独自の表層圧密技術『Gywood(ギュッド)』等を活用した木質化工事を実施した。この事例を基に外装木質化に対する耐久性等の疑念を払しょくし、施工方法やメンテナンス方法等をパッケージ化して提案していく」(同氏)。
 住宅事業では、免震マンションの供給を加速する。「当社グループでは1997年から免震マンションの開発を開始し、23年3月期までに83棟・8,123棟を供給してきた。神奈川県、栃木県、宮城県における免震マンション供給戸数はナンバーワンだ。今後も、当社が顧客基盤を有するエリアにおいて供給拡大を図っていく」(同氏)。


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