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「移住・二地域居住推進」へ中間とりまとめ決定

 国土交通省は9日、国土審議会推進部会移住・二地域居住等促進専門委員会(委員長:小田切 徳美・明治大学農学部教授)の中間とりまとめを決定した。2023年10月以降3回にわたって議論してきた内容を落とし込んだ。

 23年7月に閣議決定した新たな国土形成計画に掲げる「地方への人の流れの創出・拡大」の実現に向けて、二地域居住等の促進をさらに強化することが不可欠だとした。個人のライフスタイル実現や関係人口の創出・拡大を通じた魅力的な地域づくりに向けた有効な手段だと位置付けている。

 中間とりまとめでは、(1)住まい(住環境)、(2)なりわい(仕事)の確保・新しい働き方、(3)コミュニティ(地域づくりへの参加)という3つの視点でそれぞれの課題と対応の方向性についてまとめている。

 (1)については、住まいそのものの数的不足、居住体験の提供、子育てや移動といった生活利便性の充実などを課題として指摘。その対応として、空き家活用支援をはじめとした各種コスト支援を挙げた。また、(2)ではテレワークに対応した仕事環境に向けて、シェアオフィスなどの整備、(3)では地域住民と移住者とのコミュニケーション不足を防ぐため、廃校等を活用した地域交流の場の創出や自治体からの情報発信について方向性を示した。

 さらに、「横断的事項」として、学びの環境づくりや自治体そのものの人手不足や空き家活用等に関する専門知識の不足を課題として指摘。その対応のために官民の連携、自治体間連携など多様な主体が連携できる体制づくりや保育・教育環境整備などを挙げた。

 これらを踏まえ、子育て世帯を含む若年層が移住・二地域居住を実現できるよう、ソフト・ハードの総合的な政策パッケージが必要だと結論付けた。


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