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旧松原団地エリアのまちづくりでトヨタHなど5者連携

5者連携によるまちづくりが進められる「獨協大学前〈草加松原〉駅西側地域」の全景

 埼玉県草加市と獨協大学、(独)都市再生機構、東武鉄道(株)、トヨタホーム(株)の5者は9日、「獨協大学前〈草加松原〉駅西側地域」(埼玉県草加市)における産官学によるまちづくりに関する連携協定を締結した。

 同地域は、かつて「東洋一のマンモス団地」とうたわれた旧松原団地の建て替え事業を中心に、周辺地域も含めた約54haにおよぶ再開発が進められている。2003年に松原団地の全面建て替え事業がスタート。10年には草加市と獨協大、UR都市機構が3者連携によるハードの整備を主な目的とした連携協定が結ばれ、UR賃貸住宅「コンフォール松原」(総戸数3,050戸)や公園、教育施設、公共施設などを整備した。このほか、東武鉄道も地域内で分譲マンションや商業施設を供給してきた。

 今般、再開発の最終街区として、東武鉄道とトヨタホームが戸建て分譲住宅地「WELL BIND CITY獨協大学前」(総戸数373戸)の開発に着手。これにより、戸建街区を含めて従前の松原団地と同規模の約6,000戸の住宅が整備されることとなる。

 ハード面での整備にめどが立ったことから、従来の3者連携に東武鉄道とトヨタホームを加えた5者によるコミュニティ活性化などソフト面での連携協定の締結に至った。今後のまちづくりのコンセプトは多世代がつながり、学び、いきいきと暮らせる未来を育む「WELL BIND(ウェルバインド)」と設定し、各社が連携していく。草加市は公共施設の活用による地域活性化と地域の魅力向上を、獨協大学は地域教育を通じた文化発展への貢献を目指して取り組んでいく。また、UR都市機構では、団地を活用した多世代コミュニティの形成支援を展開し、東武鉄道は駅舎など鉄道施設を活用したにぎわい創出、トヨタホームは分譲地内の共用施設による地域住民の防災とコミュニティ形成を支援していく。

 同日行なった協定の締結式において、草加市長の山川 百合子氏は「これまで、当エリアにおいて良質な住環境を整備するべく、さまざまな施設を整備してきた。最近ではマルシェなども活発に開催されるなど、コミュニティの活性化にも寄与している。当エリアは、草加市にとって新たな顔となるべき地域。持続可能な地域として多世代によるコミュニティを活性化したい」などと語った。
 また、トヨタホーム代表取締役社長の後藤裕司氏は、「当社は現在、自治体や大学などと連携したまちづくりに積極的に取り組んでいる。今回開発した分譲住宅地では、高断熱・高耐久の住宅だけでなく、交流の場としてのクラブハウス2棟も整備した。当エリアの持続可能なコミュニティの発展に寄与していきたい」と話した。

調印式の様子。写真右からトヨタホーム・後藤社長、UR都市機構東日本賃貸住宅本部東京北・多摩・埼玉地域本部長・丹澤謙一氏、草加市・山川市長、獨協大学学長・前沢浩子氏、東武鉄道常務執行役員生活サービス創造本部長・岩瀬 豊氏


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