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都市の震災リスクを見える化するシステム開発

「土地建物格付けシステム」のイメージ

 森ビル(株)は21日、最新のIoT技術による「土地建物格付けシステム」の研究開発が完了したと発表した。

 同システムは、地盤と建物の揺れ特性を分析、格付けすることで、都市全体の震災リスクを見える化・定量評価するもの。国立研究開発法人建築研究所より(株)小堀鐸二研究所と共同で受託した委託事業「革新的社会資本整備研究開発推進事業(BRAIN)」の一環として、独自開発した。

 2020年3月から23年3月まで研究を実施。24年1月31日付で特許を取得した。今後は事業化に向け、検討を継続していく。

 研究結果では、安価な省電力型無線ネットワークセンサを開発し、その性能が従来のセンサと同等であることを確認。無線通信や環境対応性などの運用上の知見を得るなど、建築研究所より目標達成の評価を受けた。また、既往計測データを基に、新しい地震時の揺れに関する性能評価手法を考案。17棟の建物にセンサを実設置してクラウドシステムで地震時の揺れ性能評価を実施したところ、法定耐用年数を超えた建物の建て替え判断に際して、建物の揺れの性能評価が役立つことが示唆された。

 同システムによる分析結果を基に、各ビルの所有者や管理者などが適切な震災対策を実施することで、都市全体の震災リスクの低減に貢献していく。


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