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西武HD、軽井沢で野村不と22haのリゾート開発

記者会見後、撮影に応じる(左から)坂氏、後藤氏、チャン氏

 (株)西武ホールディングス(以下、「西武HD」)は26日、不動産事業の体制強化のためエグゼクティブアドバイザーとして招いた建築家の坂 茂氏と不動産投資会社ペイシャンス・キャピタル・グループ(シンガポール)のCEOであるケン・チャン氏の記者会見をグランドプリンスホテル高輪(東京都港区)で開催。会見内で、(株)西武リアルティソリューションズ、野村不動産(株)と共に大規模複合開発「軽井沢千ヶ滝地区プロジェクト」(長野県北佐久郡)に取り組むことを発表した。

 坂氏は1957年、東京都生まれ。紙管を利用した建築や木材を使った革新的な構造で知られ、2014年には建築界のノーベル賞といわれる「プリツカー建築賞」を受賞している。チャン氏は1967年、東京都生まれ。シンガポール政府系投資ファンドGIC日本法人前代表で、住宅や商業施設、物流、ホテルなどの不動産資産のコアポートフォリオを構築した。両氏の就任は16日付。

 同プロジェクトは、西武グループが千ヶ滝地区に所有する面積22万6,853.97平方メートルの敷地を活用し、2029年までにリゾートを開発するもの。同地区は、かつてはスケートリンクやホテル、温泉などでにぎわっていたが、現在は温泉のみが営業中。坂氏とチャン氏の専門的な知見を生かしながら、今回のプロジェクトによりまちの再生を図る。

 同グループは今後、軽井沢の他に箱根、富良野、大磯、川奈、日光の計6エリアを優先的に開発していく計画で、いずれにも坂氏とチャン氏がかかわるとしている。箱根では、2026年をめどに、芦ノ湖畔に会員制ホテルを新たに開業する。

 西武HD代表取締役会長 会長執行役員兼CEOの後藤高志氏は「従来は箱ものだけを作るのが不動産開発だった。今は、環境や地域社会などステークホルダーに融和した形が求められている。不動産開発で各エリアの高いポテンシャルを顕在化させることで、日本の観光大国としての発展に大きく寄与していきたい。保有不動産の価値最大化を自社のリソースのみで進めていくのではなく、外部有識者の広範な知見を加えることで、より質を高めた形で実現させていく」と述べた。


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