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住宅の品質向上へ「社員大工」の育成強化

「ポラス建築技術訓練校」(事務所棟)。訓練生は自転車で数分の寮から通ってくる
第二種電気工事士相当の技術を学ぶ授業

 ポラスグループは16日、大工・職人を育成する職業訓練法人「ポラス建築技術訓練校」(埼玉県越谷市)を報道関係者に公開した。高い技術と知識を持った建築技能者を自社で育成することで、自社商品(戸建住宅)の施工現場を支える「社員大工」を増やし、建設現場での人材不足・高齢化の解消にも貢献していく。

 同校は、1987年に企業内職業訓練校として開設。98年に埼玉県知事の認可を受け、独立採算制の職業訓練校とした。木造建築物の施工技術を学ぶ「建築施工系木造建築科」と、内装工事や電気工事を身に付けた「多能工」を育成する「建築内装系インテリアサービス科」の2つのカリキュラムを設定。40年間で、966人が卒業し、女性技能者も、これまで49人輩出している。年間最大45人の受け入れが可能で、2026年4月は32人の訓練生を迎え入れた。

 最大の特徴は、訓練生を同グループ会社の社員として雇用し、全員が同じ寮で暮らし、働きながら学べるようにしていること。訓練校で座学と実技を1年間学んだ後は、技能社員として同グループの建設現場で、先輩社員のOJTを受けながら、「フレーマー」「セットアッパー」「造作大工」としての技術を身に付けていく。高卒訓練生の場合、1年間での座学は1,400時間。訓練時間は、8~18時(年間休日110日)。卒業生のうち約400人が、同グループの社員大工として建設現場に従事。40人が独立後も同グループの現場を継続的に受け持っている。また、一部の社員大工は指導員として訓練校に残り、後輩の指導に当たっている。

 高い技能を習得するため、建築大工技能士や電気工事士などの資格取得や、外部の技能競技大会への出場を奨励。これまでに技能五輪全国大会に94人が出場し金賞2人、銀賞10人、銅賞7人など48人が入賞。技能グランプリには24人が出場し、銀賞5人など20人が入賞している。
 
 現在の訓練校は、16年に竣工したもの。平屋建ての実習棟と3階建ての事務所棟はいずれも、合せ柱・合せ梁・重ね梁を構造体に採用した木造建築物で、そのものが「教材」となっている。実習棟の実習室は、広さが30m×10m、天井高6m。訓練生全員がそろって、テーマに沿った実技指導を受ける。

 説明にあたったポラス建築技術訓練校課長の椎名健一氏は「品質向上の手段として、究極の形は“社員が施工する”こと。当社グループの一貫施工体制を支える優秀な社員大工を輩出するというだけでなく、建設業界の課題である職人不足に歯止めをかけたい」と抱負を述べた。今後の課題は認知度の向上。コロナ禍以後は、地方からの訓練生受け入れが減っていることもあり、定員割れが続いている。全国の工業高校との連携や、競技大会での入賞実績のアピールなどで、訓練生受け入れを強化していく。

実習棟での実技授業風景。ポラスでは、社員大工が造作大工になる前に「二級建築大工技能士」の合格を必須としている。同試験では、渡された木材を自分で加工して、210分の制限時間内で図面通りに組み上げる。この日は「カンナがけ」の実習が行なわれていた
訓練生たちが手にした各種技能競技大会のトロフィーや楯。40年培ってきた独自の訓練体系により、訓練生たちが高い建築技能を身に付けることができる


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