国土交通省は24日、「住宅税制のEBPMに関する有識者会議」(座長:清水千弘一橋大学ソーシャル・データサイエンス学部教授)の会合をオンライン併用形式で開いた。EBPM(Evidence Based Policy Making)とは、明確なエビデンスに基づいて政策との関連をロジックモデルとして示した政策立案のことを意味する。
同会議は、2024年9月の初会合以来、今回が7回目。これ以外に24年以降60回以上のWGを重ねてきた。25年6月までは住宅ローン減税等について議論。さらに26年2月以降、住宅取得資金に係る贈与税非課税措置およびマンション長寿命化促進税制の効果検証等を行なってきた。
中間とりまとめ案では、贈与税非課税措置の現行の措置(限度額:質の高い住宅1,000万円、一般住宅500万円)について、相続時精算課税制度の特例を含めた効果検証の結果を記載。取得・増改築効果は新築に限っても3,370戸と推計され、そのうち2,066戸がZEH水準の住宅性能を満たしていると分析した。さらに民間住宅投資の促進効果は約1,290億円など、一定の効果が認められた。また、住宅ローン減税との併用した場合の贈与税非課税措置の効果は所得水準が低いほど大きくなることなどを確認した。
マンション長寿命化促進税制については、現行の管理計画認定マンション等において長寿命化工事が実施された場合、各区分所有者に課される建物部分の固定資産税額を減額する特例措置について効果を検証。まだ制度創設3年目であり定量的な指標となるデータが足りない側面もあるが、管理計画認定を取得したマンションの数は累計で3,740件となっており、この税制がマンション管理計画認定の取得に寄与している可能性を指摘した。また、マンションの長寿命化工事に関する合意形成への寄与についても一定の効果があると推察した。
これらの効果検証を受けて、(1)継続的な効果検証の実施、(2)データの充実および高精度な効果検証の実施、(3)継続的な税制特例の対象となる消費者の多様な行動変容の把握・促進、(4)今回の効果検証結果の政策立案への活用、の4点を課題として掲げた。
これらについて出席委員からは、「社会としてどのような姿を目指すのかというビジョンを明確にしたほうが良い」「制度周知のあり方も考える必要がある」「『誰が一番困っているか』を想定して検討していく必要もあるのではないか」などといった意見が挙がった。
今回の議論を踏まえ、座長の清水氏と国土交通省が細かな調整を行ない、近日中に中間とりまとめとして正式に公表する予定。