三菱地所レジデンス(株)代表取締役社長の明嵐二朗氏は16日、報道陣と会見。主力の分譲マンション市場を取り巻く環境や、今後の同社の事業戦略について説明した。
同氏は、同社の新築分譲マンションの売れ行きについて「堅調の中の堅調。今年度売上計上予定戸数の90%は契約済み。モデルルーム来場者数も前年比で若干ではあるものの増えているが、“価格が上がる前に”“金利が上がる前に”というポジティブではない要因もある」とした。一方、建築費の上昇については「かなり重篤。少し前まで坪100万円だったものが、今では坪200万円。高級物件では300万円。土地代も含めると1億円超。地方では事業が成り立たない。最大の不確定要素であり、下げる努力を継続している」とし、金利についても「今のレベルでは冷や水を浴びせられるという状況ではないが、注視していかなければならない」とした。
こうした市場環境を踏まえ、高価格でも売れる付加価値を追求するとし、そのキーワードを「ユニーク」と表現した。「ユニークという言葉は本来、類を見ないほど素晴らしい、個性的だという意味。ザ・パークハウスというマンションブランドは安心と品質の高さを差別化の源泉としてきたが、10年20年先までそれでいいのか。そこでこの4月にブランドデザイン室を作り、今一度我々にしかできないユニークさは何かを考えブランドを再構築する」などと抱負を語った。
「価格が高いことはいいわけではないが、長い目で見たら物件やまちの価値を高める。その恩恵を受けるのは居住者であり、まちの住民だ」として「相場や市場をわれわれが作っていくという意識を社員全員が持つべきだと感じている」(明嵐氏)。
数値目標については「2030年代前半の国内簿価利益1,000億円、国内営業利益700億円の実現」とした。「業界トップランナーとして、社員に給与として還元するには、この数字が必要」(同氏)。ただし「人口動態を考えても、分譲マンション事業だけでは無理。分譲マンションとその他のアセット構成比を1対1とし、マンション以外の分野でも収益を上げていく」とした。
具体的には「賃貸マンション事業が大きな柱となる。多様化していく住まいのニーズの受け皿となる」としたほか、「リノレジ」ブランドで展開する買取再販(リノベーション)事業や既存ビルのリニューアル事業「Reビル」などストック活用領域の拡大、シニアレジや学生マンション、リゾートコンドミニアムなど新たな開発事業への注力を上げた。