国土交通省は8日、国土審議会土地政策分科会企画部会の60回目の会合を開いた。今回は、適切な土地利用のあり方や、所有者不明対策に関して出席委員による意見交換を行なった。
適切な土地利用のあり方について、8月に公表された「土地の取得・利用等の在り方に関する有識者会議」による提言(8月7日のニュースを参照)を踏まえて、法制化を含めた具体的な検討を進めていく中で、検討に際しての留意点を検討。各委員からは、提言で示された「不適切な利用」に関して、「適切・不適切なのかの線引きがあいまい。判断基準を明確にすべき」「不適切な利用事例については近隣住民からの通報による認知が主流になっているのは、人口減少社会において問題になる。衛星写真やAIを活用する手法を考案するなど、デジタル活用を進めていくべき」などといった声が挙がった。また、「特に市町村は行政職員が不足しているケースも多い。国が適切な支援を提供できる仕組みづくりも必要だ」などの意見も聞かれた。
一方、所有者不明土地に関しては、「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律」の施行後5年の見直しを控え、今後の所有者不明土地対策の方向性について議論を行なうことに。今回はその初回として、これまでの国の所有者不明土地対策や、それを踏まえた現状の課題について、国土交通省の担当官が説明した。
所有者不明土地対策を「発生段階」と「活用・管理段階」に整理した上で、「活用・管理段階」で問題が多いと指摘。所有者探索に相当な期間を要するケースが多く、自治体の負担を招いていることや、空き家に比べて周辺住民与える具体的な危険が顕在化しにくいため、地方自治体での優先度が必ずしも高くないことが挙げられた。
こうした課題を踏まえ、次回会合以降に具体的な議論を行なう。法務省など関連省庁からの参加も検討する。2027年冬のとりまとめに向けた議論を進めていく。