(株)矢野経済研究所は3日、「住宅用省エネ空調システム市場に関する調査結果2009」を発表した。2009年5月~6月に、国内空調機器メーカー、住宅メーカーへ、専門研究員による直接面談、電話によるヒアリングおよび文献調査を併用して調査したもの。
同調査では、ルームエアコンなど従来型冷暖房機器ではなく、電気ヒートポンプ式冷温水空調システムと、自然エネルギー利用空調システムの2つの住宅用空調システムを「住宅用省エネ空調システム市場」と定義。
08年度の住宅用省エネ空調システム市場全体は、311億円(前年度比1,381%、エンドユーザ販売金額ベース)と大きく伸長する結果となった。同年度のタイプ別内訳は、「電気ヒートポンプ式冷温水空調システム市場」が279.3億円(構成比89.8%)、「自然エネルギー利用空調システム市場」が31.7億円(構成比10.2%)であった。
「電気ヒートポンプ式冷温水空調システム市場」は、オール電化住宅での採用拡大などの影響により、05年度以降毎年4割以上のスペースで拡大しており、なかでも「電気ヒートポンプ式温水床暖房システム(エアコンなし)」は05年度以降08年度までの3年間で市場規模は24億円から206億円と8倍以上に拡大した。
09年度以降の住宅用省エネ空調システム市場全体は、08年度までと同様に電気ヒートポンプ式冷温水空調システム市場を中心に毎年4割以上のペースで拡大し、14年度には1,218億円(08年度比391.6%)まで拡大すると予測している。