不動産ニュース / 団体・グループ

2014/9/29

海外の住宅保証・保険制度調査結果を報告/国交省・住宅瑕疵担保履行制度あり方検討会

検討会の様子
検討会の様子

 国土交通省は29日、住宅瑕疵担保履行制度のあり方に関する検討委員会(座長:村本 孜成城大学社会イノベーション学部教授)の第3回の会合を開催した。

 同検討会は、住宅瑕疵担保履行法の施行後5年を経過したことから、施行の状況について検討を行なうための組織として設置したもの。
 
 今回の会合では瑕疵保証制度を有する海外8ヵ国をAグループ(イギリス、カナダ、アメリカ、フランス)、Bグループ(アイルランド、スウェーデン、オーストラリア、韓国)に分け、住宅保証・保険の制度の目的、背景、運用状況、制度の運営機関や主な保険会社、対象となる住宅、保証の範囲、保証期間・免責期間、住宅検査や紛争処理のスキームについて、情報収集・整理を行なった結果を報告した。
 Aグループについては、イギリス、カナダ、アメリカ、フランスそれぞれについての特徴を踏まえ、主にイギリス型とフランス型に分けられると分析している。
 イギリス型は、国内の大きな住宅瑕疵問題の発生を契機に、住宅建設業界の発意で公的な団体が創設され、該当団体が独占的に任意の住宅保証を提供とする仕組みが原型となり、その後カナダ、アメリカに伝播しさまざまな変化が起こったとしている。一方、フランス型は、民法であらゆる建築物・構造物の建設について瑕疵担保責任が定められた上で、当該責任を果たすことを担保するための保険の仕組みが活用されるようになり、1978年に責任保険である10年瑕疵担保責任保険とモノ保険である建築物損害保険の付保が義務付けられたとしている。日本は民法等における瑕疵担保責任の位置付けがある点や責任保険等の強制がある点で、フランス型であるとした。
 さらに4ヵ国全体の共通点としては、住宅所有者の保護を目的に制度が構築されている点であると指摘。

 また、9月7~10日の期間、13ヵ国の民間住宅保証事業者、再保険会社、学識経験者、政府関係者等約200名が集まり、住宅建設や住宅瑕疵保証等をテーマとする「IHHWC(国際住宅保障会議)2014」がカナダ・バンクーバーにて開催され、日本からもに国土交通省の担当者が参加。同会議で得られた知見についての報告もされた。さまざまな不確実性の存在によるリスク予測の難しさや、消費者に対する手厚い保護、紛争処理制度の費用負担など日本の制度に対する諸外国の専門家の反応などを紹介した。


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