不動産ニュース / イベント・セミナー

2008/2/8

「不動産取引所」の開設めざす/全宅連が不動産流通革命フォーラム

パネルディスカッションでは、不動産流通業界の将来像について、さまざまな意見が出された
パネルディスカッションでは、不動産流通業界の将来像について、さまざまな意見が出された
「物件価格はオークションで決定し、中身についてしっかりとした調査をした物件を取り扱う『不動産取引所』の実現をめざしたい」と語った藤田和夫会長
「物件価格はオークションで決定し、中身についてしっかりとした調査をした物件を取り扱う『不動産取引所』の実現をめざしたい」と語った藤田和夫会長
「不動産価格情報の整備、IT化、履歴情報の整備などで、巨大な既存住宅流通市場が誕生する」と語る川口有一郎氏
「不動産価格情報の整備、IT化、履歴情報の整備などで、巨大な既存住宅流通市場が誕生する」と語る川口有一郎氏

 (社)全国宅地建物取引業協会連合会は8日、経団連ホール(東京都千代田区)で、「不動産流通革命フォーラム」を開催。約400名が参加した。

 IT化の推進と消費者意識の高まり、「200年住宅」の具現化など不動産流通業を取り巻く環境が大きく変わるなか、不動産流通業がどう変わっていくべきかをさまざまな角度から議論するのがフォーラムの狙い。

 冒頭挨拶した全宅連・藤田和夫会長は「いま国民が懸念し不安に思っているのは、不動産価格はどう決められているのかということ。いずれ、すべての物件価格はオークションで決まる時代になる。適格な内容を持った物件を適正な価格で供給するのは、協会会員の責務。物件の内容をしっかり調査し、『家歴書』を付けた物件をオークションにより価格決定する『東京不動産取引所』の創設をめざしたい」などと語った。

 フォーラムでは、早稲田大学大学院教授の川口有一郎氏が講演。同氏は「アメリカが不況のどん底から奇跡の復活を見せたカギがFIREビジネス、つまりファイナンス(金融)、インシュアランス(保険)、リアルエステート(不動産)だ。日本の住宅資産は1,700兆円、企業不動産は500兆円。これを右から左に動かすだけで、莫大な経済効果が生まれる。それを可能とするには、不動産情報の標準化、瑕疵の可視化、履歴情報の整備等による『市場化』が必要になる。情報のエクスポージャー、価格の適正化など不動産流通業者の役割は無くならない。日本の不動産流通インフラは世界トップレベル。藤田会長の言うような不動産取引所が実現すれば、経済危機も防げる」などと語った。

 また、国土交通省総合政策局不動産業課長・毛利信二氏、(株)アイディーユー代表取締役社長・池添吉則氏、アットホーム(株)取締役執行役員・庄司利浩氏、全宅連副会長・松尾宣文氏をパネリストに迎えたパネルディスカッションも開催。不動産流通業の将来像について各氏は「200年住宅ビジョンは、既存住宅市場の活性化が真の狙い。地域性・個別性の強い既存住宅の取引には、業者の役割はこれからも重要」(毛利氏)、「既存住宅の価値は、ユーザーがブランディングして変えていく時代になる。必要なのは、デューデリジェンスとデータベースであり、それを実現するオークションという選択肢を発展させていきたい」(池添氏)、「情報が氾濫する中で、不動産流通業者は地域に特化した情報産業であるべき」(庄司氏)、「既存住宅の評価をかえていくには、モノを大事にしていくという思想、まちづくりの視点が必要」(松尾氏)などと語った。

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