「地域で働く不動産屋さんによる情報交換会」(通称:ジバコー)の18回目となる会合が6日、アットホーム(株)日比谷オフィス(東京都千代田区)で開催された。
同会は、(株)尚建(東京都文京区)代表取締役の徳山 明氏と(株)守屋商会(東京都府中市)代表取締役の槇ヶ垰 俊一氏が共同で開催してきたもの。地域密着営業の中小不動産会社、物件オーナー、不動産関連事業者などが集まり、不動産業界関連における最新の話題や、地域密着手法等についての情報交換を行なっている。今回は、「原点」をテーマにした講演や座談会を行ない、約40名が参加した。
冒頭挨拶した尚建の徳山社長は「この集まりもすごいゲストを招き、たくさんのファンが集まってくれるようになった。ただ、特定の人が集まるコミュニティでは、永続は難しい。これからも継続していくために、今一度自分たちの仕事の“原点”とは何かを振り返ってもらおうと考えた」とテーマについて説明した。
ゲストスピーカーとして、(株)イーエム・ラボ(東京都港区)代表取締役の榎本 佳納子氏、(有)はせがわ住販(東京都文京区)代表取締役の長谷川 秀樹氏、(株)明和住販流通センター(東京都世田谷区)代表取締役の塩見紀昭氏、(株)長澤正二(川崎市生田区)代表取締役の橘 祐一が参加。それぞれの「原点」を語った。
すべての取引が「紹介」で成り立っているという榎本氏は、「次世代に誇れる業界にしたい」という想いで起業。周囲から「なんでそこまで真面目にやるのか」と呆れられながらも、愚直に顧客の信頼を得てきたことが現在につながっているとした。
不動産コンサルティングマスターとしても活躍する長谷川氏は、父親の病気を理由に、大手不動産会社を辞め、家業の不動産会社に入社。その後、前の職場から「大変ではないのか?」と声を掛けられ、「出向営業員」として新築マンションの販売や従業員研修に関わったことが原点だとした。
賃貸管理業に特化し、いち早くPMの考えも取り入れた塩見氏は、賃貸管理業の礎を築いた三好不動産創業者の三好 勉氏から「売上や利益、社員数ではなく、人柄で付き合え」「賃貸管理業を制する者が不動産業界を制する」など数々の言葉をもらい、そのカバン持ちを買って出たことを原点に挙げた。
橘氏は、北海道で生まれ、上京して、親戚の不動産会社に入り、社長になるまでの人生を披歴。大事な友人を何人も亡くしたこと、仕事に夢中になりすぎて家庭が崩壊した壮絶な経験から「仕事」「家族」「プライベート」の「3つの皿」がうまく回るような会社を目指していると語った。
続いて、国土交通省不動産・建設経済局参事官・中野晶子氏が“地域で働く不動産屋さん”の地域価値共創の取り組みを表彰する「不動産業アワード」などについて解説。その後、ゲストスピーカー4氏による座談会も行ない、盛会に終わった。