不動産ニュース / 決算・業績・機構改革

2009/7/8

価格低下で粗利減少も、マーケットシェアは上昇/ポラス09年3月期決算

 ポラスグループは7日、報道陣に向け、同グループ中核企業である(株)中央住宅やポラテック(株)をはじめとした平成20年度決算および21年度業績予想説明会を開催した。

 平成21年3月期連結業績(2008年3月21日~09年3月20日)は売上高1,132億6,500万円(前年同期比▲2.4%)、営業利益41億500万円(同▲34.6%)、経常利益36億2,900万円(同▲34.6%)となった。
 
 当期、同グループが開発したデザイン耐力壁「クリスタルマジック」がグッドデザイン賞を受賞し、同グループ6年連続受賞となったほか、国土交通省の「長期優良住宅先導的モデル事業」と「住宅・建築物省CO2推進事業」に同社提案が採択された。

 セグメント別にみると、分譲住宅事業では、「パレットコート千葉ニュータウン中央」(全66棟)のほか、「パレットコートみずきの街・リンデンバウムの杜」(全55棟)の物件を完売、また「パレットコート七光台Sky Fields plus」(全113棟)の販売等を開始した。
 住宅展示場の1区画に2棟を建築、リアルサイズのモデルハウスを展開している注文住宅事業では、新たに千葉県松戸市と埼玉県鳩ヶ谷市に展示場をオープン。
 また、プレカット事業では、取引先の経営破たんに伴う不良債権の償却が発生したものの、販売先をパワービルダーから地場工務店へと転換するなどの見直しを実施し、粗利率を向上させた。
 不動産流通事業では、店舗の統廃合を実施、支店体制を本格稼動。
 なお、マンション事業では値引き販売に走らず正価販売を実施した。

 当期の同グループ売上棟・戸数は、戸建分譲住宅1,681棟(前年同期1,713棟)、戸建注文住宅566棟(同518棟)、賃貸住宅16棟174戸(同24棟282戸)、分譲マンション35戸(同67戸)となった。

 なお、会見の席で、同社代表取締役大久保浩成氏は、「販売価格の低下に伴い粗利益率が低下するなど、前年度比では減収減益となっているが、当グループ営業エリアにおけるシェアを着実に伸ばすことができた。また、決算には反映されていないが、直近の4~6月の動向をみると、分譲住宅、注文住宅ともに前年比10%増以上の契約を頂戴している。今後、分譲事業では仕入れから売上げまでのスパンを営業力で短縮させるなど回転率を上げていき、また注文住宅事業では差別化できる商品開発に磨きをかけていくことで、先行き不透明な市場環境に対応していきたい」と話した。

 同社の商圏はJR武蔵野線を中心とした23市区。同エリアにおける20年度の住宅供給は7,119戸と、例年の年5,000戸ペースと比較しても供給過多であったが、直近では新規供給が減っていることから、現在では需給バランスが調整されてきていると同社は分析。
 住宅購入者層の年収が大幅にダウンすることも視野に入れ事業を検討しているものの、低価格帯ではない優良な案件の売行きが好調なことから、今後も優良な住宅開発ができる土地の仕入れを継続していく方針。
 さらに、従業員や事業所数も増加していることから、教育訓練を通じて人材育成を行ない、マネジメント力を強化していく。

 なお、次期業績は連結売上高1,140億円、経常利益54億円を見込んでいる。

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