不動産ニュース / 開発・分譲

2012/3/29

自社マンションでの「サスティナブル・コミュニティ」形成へ支援策展開/三井不動産レジデンシャル他

 三井不動産レジデンシャル(株)は、自社分譲マンションでの「サスティナブル・コミュニティ」形成に向け、管理組合と入居者に対し、さまざまな支援策を展開していく。

 「サスティナブル・コミュニティ」とは、「コミュニティ内の共助・互助、周辺住民との連携などにより、環境・社会・経済面のさまざまな障壁を乗り越え、持続可能な地域社会をつくっていくためのつながり」と定義されており、東日本大震災以後の集合住宅の在り方として一躍注目されている。

 同社は、このサスティナブル・コミュニティを集合住宅に普及させていくことを目的に、2011年7月、外部有識者や外郭団体などと共同で「サスティナブル・コミュニティ研究会」を発足。集合住宅のコミュニティにとって重要な36の要素と、143の指標を抽出。それらをもとに必要なハード・ソフトを、自社分譲マンションのハードや、コミュニティ形成のための各種支援策提案として導入していくこととした。

 具体的には、4月以降竣工する首都圏のファミリーマンションで、原則入居後3ヵ月をめどに「入居挨拶会」を実施。既存分譲マンションについては、管理会社の三井不動産住宅サービス(株)を通じ、研究会の研究成果をもとにコミュニティの重要性を啓発する小冊子を、管理組合に配布。各マンションの抱えるコミュニティに関する問題点に対し、個別に支援策を提案していく。

 また、研究会の共同研究として、既存分譲マンションにおけるコミュニティ支援策の実証実験を実施。支援策実施費用の一部を研究会が負担し、その調査データや実施報告を共有。今後のコミュニティ施策にフィードバックしていく。

 今回の取り組みについて、同研究会で指標策定などに携わった三井不動産レジデンシャル開発事業本部商品企画室商品企画グループ兼総務部環境推進グループ主査の川路 武氏は「当社は時間が経過するほどいいマンションになっていく“経年優化”を開発テーマとしているが、これまでの経験から、いいコミュニティが経年優化につながることが分かってきた。しかし、指標づくりのための入居者アンケートなどからも、みんなで集まるイベントが少ない、入居者同士が顔を知らない、マンション内の情報が伝わってこないといった問題点が挙げられ、コミュニティを促すための支援が重要だと認識している。今後も、実証実験などを通じ、サスティナブル・コミュニティ支援のための要素や指標は逐次充実させていきたい」などと語っている。

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