不動産ニュース / 政策・制度

2015/3/27

自民小委、中古住宅市場活性化に向け提言へ

 自民党住宅土地・都市政策調査会の中古住宅市場活性化小委員会(委員長:鶴保庸介参議院議員)は、26日開いた同委員会で、「中古住宅市場活性化に向けた提言」の案を示した。

 同委員会は、日本の中古住宅市場の活性化を図るための方策を検討する目的で設置され、2014年6月に第1回会合を開催。学識経験者、実務家、業界団体などへのヒアリング等をもとに検討を重ねてきた。
議論の中で明らかになった日本の中古住宅市場が抱える課題を整理、早急に取り組むべき事項と中期的に実現すべき事項等について、提言としてとりまとめていく方針。

 同案では、中古住宅市場の活性化に向けた主な論点を、「取引の信頼性・安全性の向上」「中古住宅の品質の向上・可視化」「その他流通環境の整備」の3つの柱に分類。

 「取引の信頼性・安全性の向上」では、「『囲い込み』の抜本的改善」「業界の標準契約書の統一」を課題としており、早急に取り組むべき事項として「レインズシステムにおけるステータス管理機能の導入」と「業界横断的な標準売買契約書の作成」をあげている。また、これらの対応で十分な効果が得られなければ、違反者へのペナルティの導入やレインズの登録ルールの改正も中期的な実現事項とした。

 「中古住宅の品質の向上・可視化」のための課題としては、「インスペクションの普及定着・売主の情報開示の促進」があげられ、「インスペクションガイドラインの利用促進」を早期実現事項に、また「売主の情報開示と買主のインスペクションを取り込んだ流通システムの構築」を中期的な実現事項としていく。
 また、「長期優良住宅の普及、一般住宅のリフォーム履歴等の保存・活用」「担保評価も含めて20年で一律価値ゼロとする市場慣行の改善」等も課題としてあげられ、建物評価ルールの改善(原価法の見直し)」が早急に取り組むべき事項とされた。

 「その他流通環境の整備」では、「不動産総合データベースの構築」「リバースモーゲージの普及」「中小事業者の買取再販ビジネスへの参入」「空き家の市場での流通・活用」等が課題としてあがっている。

 同案の総論では、日本の住宅市場では欧米に比べ中古住宅の比率が極めて低く、また住宅ストック額もこれまでの住宅投資累計額に対してはるかに小さく、国民資産が有効に活用されていないとし、少子長寿化社会の進展に伴い中古住宅が果たすべき意義が高まっている中で、今こそ市場活性化を阻害する諸課題を抜本的に解決すべきとの考えから、本提言をとりまとめるとしているが、提言の実行に当たっては、市場への過度な規制とならないよう十分留意することと付記している。

 同委員会では、今後各方面の意見等を参考にしながら、提言をとりまとめる予定。

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