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長谷工コーポレーション、HCHO除去製品の評価手法を開発

試験装置

 (株)長谷工コーポレーションは、室内のホルムアルデヒド(HCHO)濃度を低減するとされる除去製品について、千葉工業大学建築学科小峯研究室(小峯裕己教授)ならびに東京大学大学院鎌田研究室(鎌田元康教授)と共同で、その除去性能を簡易に評価するための評価法および試験装置を、国内で初めて開発した。

 現在、建物内で発生するホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物が人体へ与えるさまざまな影響が指摘され、その対処が求められている。このような中、ホルムアルデヒド除去製品は、シートや塗布剤、容器入り薬剤など数多く商品化されているが、それら製品の効果を試験・評価する方法が確立されていないため、メーカー等が独自の基準で評価しているのが実状だった。

 長谷工コーポレーションは、同社が設計・施工するマンションでは、ホルムアルデヒド放散量が少ない建材や接着剤を採用するとともに、24時間換気システムを標準仕様とし、さらに、居室以外の押入れやクロゼットなどの収納部、入居後に持込まれる家具から発生するホルムアルデヒドへの対策として、ホルムアルデヒド除去製品の効果を検証している。

 同社が今回開発した評価法は、同社技術研究所(埼玉県越谷市)の熱環境実験室内に複数のステンレス製タンク(容量150リットル)を用いた試験装置を設置し、一対比較といわれる評価手法を採用。一定の温度(23度)・湿度(50%)の下、ホルムアルデヒド発生源を入れたタンクと、発生源と除去製品を入れたタンクのホルムアルデヒド濃度を同時に測定することにより、ホルムアルデヒドの自然減少分を把握しながら、除去効果を正確に評価することを可能とした。しかも、1度に11種類の除去製品を評価でき、製品を撤去した後にホルムアルデヒド濃度が高くなるリバウンドの有無も評価できる。


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