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【編集部取材】三菱地所、固定資産を再評価

 三菱地所(株)は5日、平成14年3月期決算において、土地再評価と固定資産の評価減を組み合わせることにより、約1,624億円の特別損失を計上し、連結ベースでの固定資産の含み損の一掃を図ることを同日開催の同社取締役会で決議したと発表した。

 今回同社が実施する土地再評価は、固定資産税評価額を採用し、同社の固定資産のみを対象に行なわれる。再評価後の帳簿価格は約12,458億円(再評価前の帳簿価格約5,549億円)となり、再評価差額約6,908億円については、再評価に関わる繰延税金負債に約2,905億円、資本の部に約4,003億円をそれぞれ計上する。
 さらに土地再評価を実施した後の固定資産について、収益還元法で再評価することにより、評価額が簿価に対して30%以上下落している不動産を対象に、評価損を計上する。具体的には、横浜ランドマークタワー(横浜市中区、評価損約880億円)やOAPタワー(大阪市北区、同約140億円)、浜松アクトタワー(静岡県浜松市、同170億円)など24棟が対象となり、評価損計上額は合計約1,579億円におよぶ。
 また、これまで評価額に対する簿価に対して50%以上の下落を評価損計上の基準としていた、たな卸資産についても、固定資産の評価減基準に合わせて30%以上の下落を基準とし、連結ベースで約45億円の評価損を計上する。

 なお、これら評価減に伴い、2001年11月22日の中間決算発表時に公表した平成14年3月期業績予想の修正も行なわれ、併せて発表された。
 これによると、当期単体での売上高は3,805億円(前回予想3,820億円)、当期純利益は▲765億円(同145億円)に修正された(経常利益については前回発表時と同じ)。当期連結での売上高についても、売上高6,310億円(前回予想6,410億円)、計上利益440億円(同450億円)、当期純利益▲725億円(同205億円)へと修正された。

 同社では、今回の含み損の解消により、保有不動産の評価額を市場価値に近づけることで、資産効率の向上を図るとともに、これらをもとにした経営計画を3月中にも発表したい考え。


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