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「平成17年地価公示」、全国的に下落幅の縮小傾向強まる

 国土交通省は24日、「平成17年地価公示」を発表した。

 これによると、平成16年1月以降1年間の公示地価は、全国の全用途平均で前年比▲5.0%となり、14年連続の下落となったものの、三大都市圏、地方圏ともに下落幅は縮小。下落幅は前年の▲6.2%から1.2ポイント縮小となり、同省では、下落率の縮小傾向が強まっているものと見ている。
 用途別には、全国平均で「住宅地」が変動率同▲4.6%、「商業地」が同▲5.6%と引き続き下落しているものの、「商業地」は3年連続、「住宅地」は2年連続で下落幅が縮小。三大都市圏でも、「住宅地」(同▲3.7%)・「商業地」(同▲3.2%)ともに下落幅が縮小した。

 地域別には、東京圏のすべての地域で、「住宅地」(同▲3.2%)・「商業地」(同▲2.5%)ともに下落幅が縮小した。中でも23区では千代田区、中央区、港区、渋谷区で、「住宅地」、「商業地」ともに変動率が上昇、その他の東京都区部地域でも、横ばいおよびほぼ横ばいの地点が大半を占めた。
 また、多摩地域、埼玉県、千葉県および川崎市・横浜市の一部などのより広い範囲で上昇や横ばいの地点が見られた。
 「商業地」については、特に、都市再生の取り組みが進む丸の内、海外ブランド店舗等の立地で一層の商業集積が進む銀座、表参道で、期待される収益の高さを反映し、比較的高い上昇率が見られる。また、集客力が高く、大規模商業施設の集積が続く柏市では、上昇や横ばいの地点が増加した。

 大阪圏の「住宅地」は、天王寺区、中央区で上昇地点があらわれ、横ばいの地点も増加した。阪神間においても、大阪・神戸都心等への交通利便性が高い鉄道沿線を中心に、灘区、芦屋市、西宮市などの住環境の良好な地域で上昇や横ばいの地点が広がっている。
 「商業地」は、大阪駅周辺、海外ブランド店舗等の集積が進む心斎橋周辺を核に、御堂筋を軸とした地域で上昇や横ばい地点があらわれたほか、ファッション等の商業集積が進む京都市中京区・下京区を中心に上昇、横ばい地点が広がった。

 名古屋圏の「住宅地」は、名古屋市の住環境の良好な地域や鉄道整備で利便性が高まった地域等において、上昇や横ばいがみられ、三重県を除く地域で下落幅が縮小した。
 「商業地」についても、名古屋駅周辺、栄地区等で、期待される収益の高さを反映し、上昇や横ばい地域が増加した。

 なお地方圏については、札幌市・福岡市など都心への利便性が高い鉄道沿線や住環境が良好な住宅地で上昇、横ばいが増加。全体では、「商業地」(同▲7.5%)、「住宅地」(同▲5.4%)ともに下落幅が縮小している。
 多くの地方都市では、オフィス需要の低迷や郊外型大規模施設等進出等の影響により、中心商業地を中心に下落が続く一方、再開発や交通基盤整備等が進められ、中心部や観光拠点がにぎわいを見せる一部都市では下落幅が縮小し、横ばいや上昇となる地点も見られた。


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