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不動産評価の信頼性の向上が課題/ARES「機関投資家の不動産投資に関するアンケート調査」

 (社)不動産証券化協会は4日、第8回「機関投資家の不動産投資に関するアンケート調査」を発表した。
 
 同調査は「年金」と「一般投資家」による実物不動産・不動産証券化商品への投資の実態と課題を把握することを目的に、2001年度より実施しているもの。
 調査対象は、年金では08年3月末時点で原則として、総資産額140億円以上の厚生年金基金、基金型または規約型の確定給付企業年金、適格退職年金等から抽出した642機関。アンケートを送付し、114通を回収した(回収率:17.8%)。また、一般機関投資家では、生命保険会社、損害保険会社、信託銀行等から抽出した204社から72通を回収した(同:35.3%)。

 これによると、年金・一般機関投資家ともに、不動産投資を行なっている回答者が減少したことが判明した一方、一部商品には投資額が増加していることが明らかになった。
 また、規模の大きい年金ほど、「不動産プライベートファンド」への投資規模が大きく、規模の小さい年金でも「Jリート」や「海外リート」への投資実績が高いなど、それぞれの資産規模に応じて、不動産投資商品を選択している様子がわかった。

 なお、不動産投資の課題としては、年金および一般機関投資家ともに「不動産評価の信頼性の向上」が第1位に挙げられたほか、「投資を一任できる運用会社」、「精通した運用担当者の育成」といった回答が寄せられ、不動産の適正な価格の評価が求められているとともに、株式、債券といった伝統的資産と同レベルで、不動産をポートフォリオに組み入れて投資運用を行なえる人材の育成と環境の整備に対する必要性が高まっていることが明らかとなった。


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